<西東京市議会>今冬インフル予防接種 65歳以上は無料

 市は、65歳以上の高齢者を対象として今冬のインフルエンザ予防接種を無料にする。9月18日の市議会で、無料化のために9700万円を追加する一般会計補正予算案が全会一致で可決された。

 

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行が懸念され、重症化リスクの高い高齢者を守るのがねらい。これまでは2500円の自己負担を求め、接種費用の差額を市が負担していた。

 

 予算では該当者の55%、約2万7000人の接種を見込む。ここ数年の平均接種率34.5%を基に保健所など関係機関とも協議して上積みしたという。実施期間は10月1日から来年1月31日まで。

 

 無料化の財源は、東京都の補助金(都議会で新型コロナ対策を盛り込んだ補正予算案を審議中)と国の地方創生臨時交付金を見込んでいる。想定を上回った場合について、市は「都の交付要綱を見て市役所内部で協議する」とし、明言を避けた。

 

 お知らせや指定医療機関一覧は10月1日号の市報に折り込むほか、ホームページや医療機関での掲示物で市民への周知を図るという。

<西東京市議会>市長60%減給5カ月 介護保険料4万人に通知ミス

 丸山浩一市長は9月1 8日、市議会に市長、副市長、教育長の給料月額を5カ月間減らす条例案を提出、この日のうちに賛成多数で原案通り可決された。

 

 丸山市長は60%減で39万6000円、池澤隆史副市長は50%減で43万8500円、木村俊二教育長は30%減で54万4600円となり、期間は10月1日から来年2月28日まで。退職手当には反映しない。

 

 今議会では8月28日の開会直後、市長が、市の担当者のミスにより、8月分の年金から天引きされる介護保険料が間違ったまま4万2000人に通知されたこと、これとは別に21カ月に及ぶ生活保護費の認定・支給漏れが1件あったことを報告して陳謝。

 

 木村教育長も、市議会の常任委員会に提出した学校施設関係の資料と、田無公民館などの耐震補強工事の市民説明会で配布した代替施設の資料に誤りがあったことを報告、陳謝した。

 

 市長と教育長はともに「重大な誤りを重ねた」として、この時に「これまで以上の責任を取らせてもらう覚悟だ」と表明していた。

 

 介護保険料の通知ミスでは、おわび文書発送など後始末に約880万円の経費が見込まれている。3人の給料削減分は総額940万円とされ、「減給条例案」の質疑では「数字合わせではないか」との声が出た。

 

 教育長の減給について、「市長部局が起こした介護保険料問題と同列で考えるのは筋が違うのではないか」「30%は過大だ」との批判に対し、市長は「3人の意見を踏まえ、トータルで判断した」と述べた。

 

 介護保険料通知ミスに関わる経費を盛り込んだ一般会計補正予算案と介護保険特別会計補正予算案はいずれも賛成多数で原案通り可決された。

<西東京市議会> 一般会計補正予算案 総額1千億円超す

 第3回定例会は8月28日開会し、会期を9月28日までの32日間と決めた。

 

 8月の介護保険料の通知ミスなど市の不適切な事務処理についての市長報告、教育長報告を受けた質疑、緊急質問に長時間を費やし、上程された議案の提出理由の説明は午後6時すぎとなった。

 

 市の今年度の一般会計補正予算案は67億3300万円を追加し、総額1046億1300万円とするもので、1千億円を超えるのは初めて。歳入は国の新型ウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金や前年度決算による繰入金などが増えた。

 

 歳出では、新型コロナの影響で売り上げが減少した中小企業事業者が事業を継続できるよう運転資金融資をあっせん、償還までの利子負担と信用保証料を全額補助する。運転資金の融資限度額は500万円で償還期間は5年以内(6カ月据え置き)。

 

 この新たな融資あっせん制度を設けるため、関係条例の一部改正案が提出された。また国の臨時交付金を活用して来年度以降に対応するための財源を積み立てる基金条例案も提出されている。

 

 国が進める「GIGA(ギガ)スクール構想」に沿い、教育環境を整備する。市立小中学校のすべての児童生徒が1人1台使えるタブレット端末を全校に配置。授業中に調べ学習を行ったり、児童生徒が双方向の交流をできたりするように高速大容量のネットワークを整える。補正予算案に15億6200万円を盛り込んだ。

 

 一般会計などの補正予算案6件は予算特別委員会、条例関係5件と陳情5件は所管の常任委員会に付託された。

<西東京市議会> 事務処理ミス続出 介護保険、4万2千人に誤通知 市長陳謝「人心掌握していない」

 7月から8月にかけて市民生活に直結する市の事務処理ミスが相次ぎ、第3回定例会初日の8月28日、本会議の冒頭に行われた市長報告と教育長報告をめぐって長時間に及ぶ質疑応答があった。

 

 丸山浩一市長は、8月分の介護保険料を年金から天引きする特別徴収の金額が市の通知書と異なり、約4万2千人に追加納付または市からの返還が必要になったこと、そのため新たに予算を組まなければならないこと、これとは別に本人から申請があるまで生活保護費の認定・支給漏れが21カ月に及んだことを報告し謝罪した。

 

 木村俊二市教育長は、「市学校施設適正規模・適正配置に関する基本方針(素案)」と、中央図書館・田無公民館耐震補強等改修工事基本設計説明会で配布した田無公民館の休館に伴う「類似施設整備状況一覧」に多くの訂正箇所があったと述べ、謝罪した。

 

 市長報告には10氏、教育長報告には9氏が質疑を行い、引き続きこのうち6氏が緊急質問した。

 

 8月分の介護保険料については、誤った保険料額を市が日本年金機構に通知したとし、追加納付の対象は約3万1600人で総額約4600万円、市の返還は約1万400人で総額約5700万円であることを市は26日付でホームページに掲載している。

 

 この日の質疑では新たな事実が明らかになった。介護保険料の事務処理ミスでは、年金機構に送るデータの入力担当者が8月分の取り扱いが初めてで、徴収額を補正していない日付を入力してしまった。また、この処理結果は担当職員以外の人が確認する仕組みになっていなかった。

 

 追加納付しなければならない人の最高額は4万円、最少は100円で平均は1500円。1千円以下は2万4千人いるという。入院などで指定場所での納付が困難な人には市職員を出向かせるという。一方、払い過ぎ分が戻ってくる人の最高額は5万6千円、最少は100円で、平均が5500円。1千円以下は2900人。

 

 過不足分を10月以降の年金で調整する方法には年金機構が強く難色を見せている。このため市が単独で後始末をしなければならず、予備費と今回の補正予算合わせて約880万円の経費を見込んでいる。

 

 緊急質問した森輝雄氏(無所属)が「事務上のミスだけではない。市長は(職員の)人心掌握に失敗している」とただすと、丸山市長は「人心掌握しているとは決して思わない。組織としてどうあるべきかということが問われている」と切り返した。

    ◇

 市は8月28日付のホームページで、特別徴収の金額に誤りのあった市民宛てにお知らせを27日に発送したことや、個別の問い合わせに応じる専用ダイヤル(042・420・2867)の設置を掲載。合わせて振り込め詐欺還付金詐欺に注意するよう呼びかけている。

安全性と利便性 中央図書館・田無公民館改修 基本設計を説明

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来年度に改修される田無公民館(手前)と中央図書館

 西東京市の中央図書館と田無公民館の耐震補強を中心とする改修工事の基本設計がまとまり、7月31日と8月1日の両日、田無公民館で市民説明会があった。

 

 両館は1975年に併設され、鉄筋コンクリート造りで地下1階、地上3階建て。現在の敷地面積、建築面積を変更せずに改修工事を行う。これにより建物の寿命は30年延びるという。

 

 施設は2021年4月から1年間休館し、22年4月に再開館する予定だ。

 

 改修計画は、建物の柱や壁を鉄材で耐震補強したりエレベーターを更新したりして安全性を高めるほか、使いやすさへの改善を進める。トイレは各階洋式とし、1階にはオストメイト人工肛門(こうもん))対応を設置。図書館のカウンターは車いす利用者に対応できるように更新する。

 

 公民館はロビーを拡張して学習コーナーと授乳室を設け、視聴覚室の調整室・倉庫は活動室に変える。実習室の調理実習台を更新する。

 

 空調設備や照明設備も省エネルギー型機器に更新する。現在は一室全部が点灯か消灯かしかできない視聴覚室はLEDにして、多段階に制御できるようにするという。

トレーニングマシン一般開放 コロナで二の足?

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マシンの間隔、消毒液、通風などコロナ対策を施した機能訓練室

 新型コロナウイルスの影響で休止していた西東京市の今年度のトレーニングマシン一般開放が7月6日、再開した。今年度初めての利用なので利用決定通知書を携え、16日に住吉老人福祉センター住吉会ルピナス)を訪れた。

 

 ルピナスの機能訓練室に備えられたマシンは7種8台。普段だと1台に2~3人待ちが珍しくないが、私が訪れた時は部屋の中に利用者が3人しかおらず、目を疑った。当然、順番待ちはない。

 

 7種のマシンでそれぞれ2セットをこなす1時間足らずの間も同じような状態が続いた。指導員に聞くと、それでも5回目の今日が一番多いという。

 

 「再開したのを知らない人が多いのでは」と指導員は話したが、このところのコロナ感染の再拡大、午前中に発表された「東京都内の感染者数が緊急事態宣言の解除後で最多」を知って利用をためらった人も多かったのではないか。

 

 機能訓練室の様子も大きく変わっていた。入り口のドアは開放され、壁側の窓も開いていて風通しのよさが実感できる。

 

 入室すると、真っ先に非接触型の検温器で体温をチェックされる。調査票を渡され、住所、氏名、連絡先電話番号などとともに、ロッカー番号の記載を求められる。退出後に消毒するためという。指導員と利用者を分ける透明のビニールカーテンも下がっている。

 

 水やタオル、トレーニング記録カードなど利用者の持ち物はすべて透明のビニールバッグに入れて持ち歩き、退出時にバッグを返す。

 

 トレーニング開始前と終了後の血圧測定は、腕を透明シートで覆ってから機器の輪に入れる。マシンを使った後は、座面や背面、ハンドルなど体が接触した部分を次亜塩素酸水を吹きかけた布で拭わなければならない。マシンの間隔はかなり離れ、中間に置いたいすの上に次亜塩素酸水の霧吹き容器と何枚もの布片が用意されている。

 

 外出自粛をよいことに運動不足をかこっていた体は可動域の減少や筋力低下、脈拍数上昇に如実に表れた。マスクを外せず、マシンの種類によっては暑苦しくてつらい。

 

 でも当面はせめて週1回通い、体に良いことができるのだと思って楽しもう。利用者があまり増えませんようにと願いつつ。

「農業講座」記録集を配布 今年度は8月募集 規模・期間縮小

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8カ月間の農業実習などを収めた記録集

 谷戸公民館主催の「農業を知る講座」の2019年度版記録集がこのほど出来上がり、受講者らに配布された。

 

 記録集はA5判54ページで40部を印刷。実習畑で初めての作業となった昨年7月初めのジャガイモ収穫から今年2月中旬の都市農業をテーマとした講義まで、参加者が毎回代わってまとめた作業日誌と講義の記録を中心に、実習風景の写真やおいしい野菜の食べ方アンケート結果などを収めた。

 

 作業日誌は直筆のものをコピー。メモ欄にイラストを添える人がいたり、感想欄では炎天下でのつらさ、種の小さいことへの驚き、細かい手順に隠れている合理性への気づきをはじめ、終戦後の手伝いを思い出したことを書く人がいたりと個性がにじみ出ている。

 

 今年度の講座は新型コロナウイルスの影響で参加者募集のお知らせは2カ月遅れ、8月1日発行の公民館だよりに募集要領を掲載するという。

 

 市は公民館の部屋の利用者数を当面、これまでの半分以下に制限していることから、募集定員は初参加の人を優先して計32人(前年は45人)に減らす。講座の開催期間も短縮するという。