<西東京市議会>小中校の学習用タブレット 1万6000台購入へ

 来年度から市内の小中学生に1人1台配備するタブレット端末と、充電保管庫・保管庫を市の財産として取得する議案が、11月27日の本会議で全会一致で可決された。

 

 国の「GIGA(ギガ)スクール構想」に沿ったもので、タブレットは小中学生用が1万4000台、教員用800台、予備1200台の計1万6000台。米ヒューレット・パッカード製で契約金額は約8億5100万円。

 

 端末用の充電保管庫は140台、保管庫は81台で、契約金額は約1500万円。

 

 議員の質問に対し市教委側は「タブレットは子どもの持ち帰りが基本」「予備機は子どもの端末が壊れたときに使う」と答えた。ただ「故意に壊した場合は(保護者に)損害賠償を求めるのか」との質問には「個別の事情による」と答えるにとどまり、明確な判断基準は示さなかった。

<西東京市議会>定例会始まる 一般会計にコロナ対策追加

 第4回定例会は11月27日招集され、会期を12月15日までの19日間と決めた。

 

 この後、財産の取得など議決を急ぐ議案4件を可決=別稿=、一般会計補正予算案を予算特別委員会に付託した。

 

 一般会計補正予算案は、新型コロナウイルス感染症対策を中心に2億2700万円を追加し、総額1049億3800万円とするもの。

 

 他の議案では市立しもほうや保育園の建物を社会福祉法人「至誠学舎東京」に約5300万円で売却する財産処分が上程されている。来年度から同法人が運営する。

 

 地区会館・ふれあいセンターの指定管理者の指定は、地域住民で組織する管理運営協議会を引き続き指定する内容。期間は来年度から3年間。

 

 西東京いこいの森公園と周辺の市立公園の指定管理者も現行の「西東京の公園・西武パートナーズ」(埼玉県所沢市)を指定する。期間は5年間。

 

 30日から一般質問が行われる。

発見・想像を楽しむ 「日本美術の裏の裏」展

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江戸時代(19世紀)の雛道具に「小」をめでる

 「裏の裏」という謎めいたタイトルにひかれ、10月24日に東京・六本木のサントリー美術館を訪ねた。

 

 リニューアルオープンした同美術館と朝日新聞社主催の展覧会「日本美術の裏の裏」(9月30日~11月29日)。開催前に新聞社が1ページの紙面の3分の2を割き、見どころ紹介記事を掲載していたが、展覧会全体のコンセプトをいまひとつつかみきれないまま会場へ出向いた。

 

 展覧会は「空間をつくる」「小をめでる」「心でえがく」「景色をさがす」「和歌でわかる」「風景にはいる」の6章で構成。

 

 会場に入ってすぐ目に入るのは、円山応挙の「青楓瀑布図(せいふうばくふず)」。滝を描いた縦178センチ、横92センチの大作そのものを鑑賞するよりも、「空間をつくる」とどう結びつくのかを考え、もやもや感を抱えながら屏風や絵巻、ミニチュアサイズの雛(ひな)道具、陶器、浮世絵版画などの古美術を一通り見て回った。

 

 この日は同館の学芸員らの教育担当スタッフが展覧会の見どころを短時間で解説してくれる「鑑賞ガイド」がホールであり、ここで理解を深めて再度作品を味わうことにしていた。

 

 スタッフが話す各章の狙いはおおむね得心がいった。「応挙の滝」はどこに滝があったらよいかを自由に想像してもらい、仮想現実を楽しむ。小さいものは昔から無条件にかわいい。ヘタウマな絵にもじわじわと迫る魅力がある。

 

 焼き物は自分の好きな面を正面にして飾ればよい。和歌を知れば日本美術はもっと面白いことに気づく。点景の人物を見つけて風景の中に導いてもらい自分だけの物語をつくる。

 

 要は「見えない部分(裏)を知るだけでなく、様々な角度から日本美術の楽しみ方を探る」(スタッフ)のが全体テーマのようだ。

 

 作者や時代を軸に組み立てられ、名品をじっくりと味わう展覧会とは一味違った切り口で、裏技ともいうべき鑑賞法を見る人に提示する意欲的な企画。約60点の出品作品がすべてサントリー美術館の所蔵とあって写真撮影できるのもうれしい。

埼玉・所沢 標高119㍍の「富士」登山

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多様な植物が茂る「荒幡の富士」の登山スタート


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標高119メートルの荒幡富士山頂


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芝生が広がり寝そべりたくなるドレミの丘公園

 

 新型コロナウイルスの影響で活動を自粛していた市民団体・北多摩自然環境連絡会の観察会が10月14日、約9カ月ぶりにあり、埼玉県所沢市の「荒幡の富士」などを訪ねた。

 

 11人が参加し、再会を喜び合って午前10時すぎに西武池袋線新宿線所沢駅西口を出発。リーダーの説明では、コースは市が発行するリーフレット「ところざわウォーキングナビ(2)中央エリア」のおすすめルートを参考にしたという。

 

 旧鎌倉街道の南小前や古代の幹線道路・東山道武蔵路(むさしみち)が見つかった南陵中校庭、新田義貞が鎌倉攻めで陣を張ったとされる八国山東端の「将軍塚」などの史跡をたどり、八国山緑地の「あおぞら広場」で昼食をとった。

 

 尾根道から右の埼玉県側に下りる。久米水天宮と隣の鳩峯八幡神社に立ち寄り、荒幡小の児童たちが名付け親という「ドレミの丘公園」で小休止。約1ヘクタールの土地の寄贈を受けた市が石のベンチと水飲み場を整備した。遊具を置かず、小さな牧場のような風景で、所沢駅周辺などが眺望できる。

 

 林の小道を進むと、荒幡の富士は小さな社(やしろ)のそばにあった。東京都内で見たいくつかの富士塚よりもかなり大きく、ふもとから頂上まで緑に覆われていた。

 

 登山口に立つ教育委員会の説明板によると、明治初期、村に5つあった神社が浅間神社に統合させられて移る際、富士塚も移転して新しくつくられることになった。村内だけでなく近隣の村々の有志も加わり、15年かけて築き上げ、「近郷近在に誇る最大級の人工の富士」となった。

 

 下山後、県の「狭山丘陵いきものふれあいの里」で聞くと、標高約100メートルの丘の上に土を19メートル積み上げた「富士山」とわかった。

 

 登山道は地元保存会の手入れが行き届いていて、階段はしっかりしている。頂上は360度のパノラマ。西武園ゆうえんちの観覧車の一部は森の上に見えたが、本物の富士山は曇って見えなかった。

 

 登るときは気づかなかったワレモコウが5合目の標柱付近に咲いていた。前を行く女性が「秋ねぇ」と手で触れた。大勢の人がいろいろな土を少しずつ持ち込んだことで「驚くほど多くの種類の植物が見られる」(いきものふれあいの里)という。

 

 荒幡富士市民の森を後に坂を下り、午後3時すぎ、西武狭山線下山口駅に到着、約9キロの散策を終えた。

<西東京市議会>今冬インフル予防接種 65歳以上は無料

 市は、65歳以上の高齢者を対象として今冬のインフルエンザ予防接種を無料にする。9月18日の市議会で、無料化のために9700万円を追加する一般会計補正予算案が全会一致で可決された。

 

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行が懸念され、重症化リスクの高い高齢者を守るのがねらい。これまでは2500円の自己負担を求め、接種費用の差額を市が負担していた。

 

 予算では該当者の55%、約2万7000人の接種を見込む。ここ数年の平均接種率34.5%を基に保健所など関係機関とも協議して上積みしたという。実施期間は10月1日から来年1月31日まで。

 

 無料化の財源は、東京都の補助金(都議会で新型コロナ対策を盛り込んだ補正予算案を審議中)と国の地方創生臨時交付金を見込んでいる。想定を上回った場合について、市は「都の交付要綱を見て市役所内部で協議する」とし、明言を避けた。

 

 お知らせや指定医療機関一覧は10月1日号の市報に折り込むほか、ホームページや医療機関での掲示物で市民への周知を図るという。

<西東京市議会>市長60%減給5カ月 介護保険料4万人に通知ミス

 丸山浩一市長は9月1 8日、市議会に市長、副市長、教育長の給料月額を5カ月間減らす条例案を提出、この日のうちに賛成多数で原案通り可決された。

 

 丸山市長は60%減で39万6000円、池澤隆史副市長は50%減で43万8500円、木村俊二教育長は30%減で54万4600円となり、期間は10月1日から来年2月28日まで。退職手当には反映しない。

 

 今議会では8月28日の開会直後、市長が、市の担当者のミスにより、8月分の年金から天引きされる介護保険料が間違ったまま4万2000人に通知されたこと、これとは別に21カ月に及ぶ生活保護費の認定・支給漏れが1件あったことを報告して陳謝。

 

 木村教育長も、市議会の常任委員会に提出した学校施設関係の資料と、田無公民館などの耐震補強工事の市民説明会で配布した代替施設の資料に誤りがあったことを報告、陳謝した。

 

 市長と教育長はともに「重大な誤りを重ねた」として、この時に「これまで以上の責任を取らせてもらう覚悟だ」と表明していた。

 

 介護保険料の通知ミスでは、おわび文書発送など後始末に約880万円の経費が見込まれている。3人の給料削減分は総額940万円とされ、「減給条例案」の質疑では「数字合わせではないか」との声が出た。

 

 教育長の減給について、「市長部局が起こした介護保険料問題と同列で考えるのは筋が違うのではないか」「30%は過大だ」との批判に対し、市長は「3人の意見を踏まえ、トータルで判断した」と述べた。

 

 介護保険料通知ミスに関わる経費を盛り込んだ一般会計補正予算案と介護保険特別会計補正予算案はいずれも賛成多数で原案通り可決された。

<西東京市議会> 一般会計補正予算案 総額1千億円超す

 第3回定例会は8月28日開会し、会期を9月28日までの32日間と決めた。

 

 8月の介護保険料の通知ミスなど市の不適切な事務処理についての市長報告、教育長報告を受けた質疑、緊急質問に長時間を費やし、上程された議案の提出理由の説明は午後6時すぎとなった。

 

 市の今年度の一般会計補正予算案は67億3300万円を追加し、総額1046億1300万円とするもので、1千億円を超えるのは初めて。歳入は国の新型ウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金や前年度決算による繰入金などが増えた。

 

 歳出では、新型コロナの影響で売り上げが減少した中小企業事業者が事業を継続できるよう運転資金融資をあっせん、償還までの利子負担と信用保証料を全額補助する。運転資金の融資限度額は500万円で償還期間は5年以内(6カ月据え置き)。

 

 この新たな融資あっせん制度を設けるため、関係条例の一部改正案が提出された。また国の臨時交付金を活用して来年度以降に対応するための財源を積み立てる基金条例案も提出されている。

 

 国が進める「GIGA(ギガ)スクール構想」に沿い、教育環境を整備する。市立小中学校のすべての児童生徒が1人1台使えるタブレット端末を全校に配置。授業中に調べ学習を行ったり、児童生徒が双方向の交流をできたりするように高速大容量のネットワークを整える。補正予算案に15億6200万円を盛り込んだ。

 

 一般会計などの補正予算案6件は予算特別委員会、条例関係5件と陳情5件は所管の常任委員会に付託された。