昭島 拝島分水、昭和用水を歩く

イメージ 1
 北多摩自然環境連絡会の昭和用水探索は9月23日、昭島市内で行われ、18人が参加した。曇り空と気温が25度を切る涼しい天候の下、多くの見どころを楽しんだ。
 JR拝島駅南口から、たちまち用水散策は始まる。とは言っても水の流れはアスファルトの下なので見えない。玉川上水から南へ引き入れた拝島分水の上は松原町の住宅街の通路になっていて、拝島三差路の前後でやっと流れの一部が見えた。
 大曲を右に入り、水鳥公園へ。かつて拝島村から下流合わせて9村の田畑を潤していた九箇村(くかむら)用水(現在の昭和用水)の取水口跡に残る「九箇村用水樋管(ひかん:用水路トンネル)」を見た=写真。石造りの上部が土の上に現われており、明治末期に設置、昭和50年ごろまで使われていたという。九箇村用水そのものは江戸時代初期には完成していたらしい。
 この産業遺構から堤防上のサイクリングロードを下流へ向かい、昭和用水堰の先、都水道局の原水補給ポンプ所辺りからは生きた用水路をたどる。龍津寺裏の湧水は、この先の諏訪神社とともに「東京の名湧水57選」となっている。この間、花井の井戸(民家の庭)、大日堂の池とおねいの井戸、大神水辺の散歩道があり、水のある風景に心身を癒やされる。熊野神社の周りの屋敷群の庭に水路が巡り、江戸時代から湧水を利用してワサビを栽培している農家がいることには驚きさえ感じた。
 しかし、昭和用水の受益面積は15ヘクタールと昭和初期の10分の1以下になったり、道路建設で水が枯れた寺があったりと開発の影響も現れている。後で知ったことだが、拝島の三つの古井戸のうち、もう一つの松原井戸は取り壊されて今はないそうだ。(写真下は刈り入れ間近の水田=田中町3、猛暑の影響で生育がよくないというワサビ田神町1)
イメージ 2イメージ 3