自然の魅力 東大演習林から学ぶ 都、初の「たま発!シンポ」

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 「残したい多摩の素晴らしい自然」をテーマに観察や講義を通して考えるシンポジウムが1116日、西東京市内の東大田無演習林(緑町1)と多摩六都科学館(芝久保町5)で行われた。
多摩地域が神奈川県から東京府に移管され、今年は120周年。同地域の様々な魅力を住民が再発見し、発信してもらう「多摩の魅力発信プロジェクト」(「たま発!」)の第一弾として東京都が主催。家族連れなど約130人が参加した。
最初に自然観察をした東大田無演習林は、東大が持つ全国7カ所の演習林の中で最も街なかにあるが、もともとはまきや炭を作るため人の手の入った雑木林だったといい、アカマツやコナラ、クヌギを主体に武蔵野の植物相を現わしている。
参加者たちは5班に分かれ、明るいコナラ林、光が入りにくいシラカシ林、スダジイが幅をきかして光をさえぎり、植物の種類の変わりようがなくなった林など林の移り変わる姿を、専門家の説明を聞きながら1時間観察した=写真。
多くの切り株を置いた公園で昼食をとったり、武蔵野台地の成り立ちを紙芝居で見たりしたあと、バスで六都科学館へ移動。「自然の部屋」で鳥や昆虫の標本、水槽で泳ぐ魚などを、また「地球の部屋」では川の石や化石などの展示物を見ながら説明員の解説を聞いた。
同館の呼び物である世界最大級のプラネタリウムが映し出す、田無上空に広がる星座も鑑賞。東大田無演習林講師の楠本大さんは映像を使い、林ができる仕組みや里山・雑木林を放置しておくことによる生物多様性への影響などについて講義を行い、「自然のままにしておくか手を加えるか。どの自然を残したいかをみんなで考えよう」と結んだ。