NPO法人東京雑学大学は5月1日、「終活」をテーマとする講座を田無公民館で開いた。〝教授〟は西東京市を中心に活動するNPO法人終活支援センター代表の有馬将由(のぶゆき)さん(77)。約50人が学んだ。
人生の終わりのための活動を意味する「終活」の用語は、2012年の新語・流行語大賞のトップテンに選ばれ、終活カウンセラーと称する資格が生まれたり、終活フェアなどのイベントが催されたりと、広く使われるようになっている。
有馬さんは、終活を(1)自分のための備えである介護・医療、相続・遺言、遺影、葬儀、墓など(2)残された人のために整理しておくべきエンディングノート、保険・預貯金口座などに大別し、エンディングノートを書くことを強く勧めた。エンディングノートを書くことは遺言書の意味を持つだけでなく、これからやるべきことが見え、人生とよりよく向き合うことができるという。
危篤状態になった場合に医療機関に求める「終末期医療に関する宣言」のモデル文書が参加者全員に配られた。呼吸器装置や心臓マッサージなどの施術を行わないことなどの希望を書きしるし、本人と家族代表の署名、押印欄などをA4判用紙1枚に収めてある。市内の総合病院の院長に宣言の有効性を認められたという。
することがいっぱいある終活。しかし、だれも言わないことがある。「それは、自立した時間である『健康寿命』を引き延ばすことです」と有馬さんは強調した。有馬さんの計算では、今70歳の人は、残された命のうち健康寿命を超えてからの「不健康な期間」が男女とも約15年にも及ぶからだ。