嘉克さんは、深田久弥の著書「日本百名山」が出版された50年前にはすでにその半数以上を踏破していたが、出版を機会に全山登頂を目指すとともに、15年ほど前からは山容やふもとの風景などを版木に彫りこんでいる。木版画はほとんどがはがきサイズで黒の単色刷り。
信子さんは植物画を描き始めて30年。「庭の野草をかきわけて探し出すような花が好き」といい、時にはルーペを使い、じっくり観察して描きとめる。今も植物画の先生に学んでいる。
会場の一番奥のスペースにイエギク、ショウブなどを描いた20点が展示され、「葉も茎も質感が素晴らしい」「繊細できれい」などと感想が言い交わされていた。