東京から消えゆく農地を守ろうと7月14日、都内の38の自治体(10区、28市町)でつくる都市農地保全推進自治体協議会が練馬区立練馬文化センターでフォーラムを開いた=写真。農家や農業団体、行政などの関係者約300人が参加した。
一度姿を消した江戸東京野菜の「志村みの早生(わせ)大根」を復活させ、イベントで販売を始めたのは板橋区。稲城市は地元在住のデザイナーたちに特産のナシをモチーフに作ってもらったナシ型メカ「稲城なしのすけ」の活躍に期待する。農業ボランティアの育成に力を入れる自治体も目立った。
この後、前川会長が「(都市農地・農業)基本法の制定をはじめ、省庁連携による法制度の整備、都市農業振興政策の充実を国に働きかけるなど、都市農地の保全に向けて全力で行動していく」とのフォーラム宣言を読み上げた=写真下の左。
休憩を挟み、第2部は農業ジャーナリストで立教大兼任講師の榊田(さかきだ)みどりさん=写真下の右=の講演会があった。「都市農業で子どもたちの食教育を」と題し、米国や英国では2000年を境にコスト削減などの経済効率重視から栄養バランス優先へと「学校給食革命」が始まり、日本でも食育基本法などにより学校給食のあり方が見直されたと説明。
また高知県南国市の小学校の先駆的実践を例に、食だけでなく農業体験の持つ教育力の大きさを説き、「学校や保護者から大きな声が上がれば、都市農業の位置づけがもっと上がるのではないか」と提言した。