淡路島を舞台とする「種まく―」では「ノリの栽培をこれほど丁寧に撮った作品は世界にないのではないか。今でもノリ1枚がいとおしい」と話し、観客を笑わせた。
「監督はいつも企画を持っていないと生きていけない」「恋愛ものや時代劇などジャンルにこだわらないが、SFは苦手」とざっくばらんに語る一方で、脚本を重視する姿勢を明快に示した。
映画祭の目玉の一つである自主制作映画コンペティションでは、機材の進歩や将来性が期待される役者の起用などでプロ好みの作品が増えているとしながらも、「カギは脚本。撮ることよりも難しい」。
また会場から「良い脚本とは」と質問されると、「せりふとト書きがすべて。役者をがんじがらめにするようなディテールはない方がいい。大事なのは物語」と答えた。