映画作り「かぎは脚本」 市民映画祭で篠原監督

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 今年の西東京市民映画祭は95日、保谷こもれびホールを会場に篠原哲雄監督作品の上映とトークショー=写真=で始まった。
 
 上映作品は2006年公開の「地下鉄(メトロ)に乗って」(出演は堤真一大沢たかお岡本綾常盤貴子ら)と新作の「種まく旅人 くにうみの郷(さと)」(出演は栗山千明桐谷健太三浦貴大ら)。
 
 トークショーはこの2作品の間で行われ、映画祭実行委員長でもある西東京シネマ倶楽部の宍倉悠子さんが話を引き出した。
 
 篠原さんは「地下鉄―」では主人公がタイムスリップした時代や場所について自分で図書館で調べたこと、闇市のシーンでは300人ものエキストラが何日もよく動いてくれたことなどを語った。
 
 淡路島を舞台とする「種まく―」では「ノリの栽培をこれほど丁寧に撮った作品は世界にないのではないか。今でもノリ1枚がいとおしい」と話し、観客を笑わせた。
 
 「監督はいつも企画を持っていないと生きていけない」「恋愛ものや時代劇などジャンルにこだわらないが、SFは苦手」とざっくばらんに語る一方で、脚本を重視する姿勢を明快に示した。
 
 映画祭の目玉の一つである自主制作映画コンペティションでは、機材の進歩や将来性が期待される役者の起用などでプロ好みの作品が増えているとしながらも、「カギは脚本。撮ることよりも難しい」。
 
また会場から「良い脚本とは」と質問されると、「せりふとト書きがすべて。役者をがんじがらめにするようなディテールはない方がいい。大事なのは物語」と答えた。