海中展望塔、社寺、岬… 友好都市・勝浦を行く(1)

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 西東京市でシニア向け地域情報紙を発行する「きらっとシニア倶楽部」のメンバーら17人が91415の両日、友好都市の千葉県勝浦市を訪れた。(写真は八幡岬公園)
 
 同倶楽部は2011年の福島県下郷町を皮切りに姉妹都市・友好都市訪問を始め、13年に山梨県北杜市(旧須玉町)を訪れた。今回の勝浦市で一回りする。
 
 勝浦市は、田無市保谷市が合併して生まれた西東京市0310月に友好都市の提携盟約を結んでおり、唯一海のある自治体だ。下郷町は旧保谷市須玉町は旧田無市時代から提携関係が続いている。
 
 一行はバスで東京湾アクアライン、館山道、鴨川スカイラインなどを経て鴨川方面から勝浦入り。まず海中公園にある海中展望塔のらせん階段を下り、海面下約7メートルの窓から魚の泳ぐ姿を探した。この日の透明度は4メートルで天気もよく、餌かごに近づく群れに多くの人がカメラを向けた。
 
 昼食はいづみや本店で天ぷらそばを食べ、江澤修さんらまち歩き観光ガイドの4人と合流。一行は2グループに分かれ、覚翁寺、和泉酒店、高照寺、旅館松の家、本行寺、遠見岬(とみさき)神社の順で歩いた。
 
 覚翁寺は勝浦の朝市を創設した勝浦城主ら植村家5代の菩提寺。江戸時代の名彫刻師「波の井八」の作である本堂欄間の火焔(かえん)龍や歴代城主の墓の宝篋(ほうきょう)印塔を見たり、別名「茶水寺」と呼ばれるほど上質な湧き水をひしゃくにためて味わったりした。
 
 和泉酒店は店内の商品棚がわずかに前方に傾き、たるのせんを抜いての量り売りの名残をとどめる。松の家は玄関上部を唐破風で飾り、扉付きの電話室を残す。どちらも昭和初期の建物という。
 
 高照寺境内では樹齢1千年を超え、乳房に似た気根が大小合わせて100以上あるといわれる「乳イチョウ」を、本行寺では日蓮上人の歯を収める釈迦堂を眺めた。
 
 遠見岬神社境内の石段は3月、かつうらビッグひな祭りで60段一面に約1200体のひな人形が飾られる。神社の説明役を買って出てくれた、宮司の補佐役の禰宜(ねぎ)小林悠さんによると、階段の石は約170年前に土の上に置かれたもので、7~8月に改修工事を実施。地震に備えて鉄筋コンクリートの基盤を造り、幅も広げて石を足した。
 
 一行はこの石段の上からさらに先の階段を上り、市街地や太平洋を望みながら拝殿に着き、小林さんから4代目井八の彫り物や房総半島の開拓などについての話を聞いた。
 
 この日の最後の見どころは八幡岬公園。まち歩きコースから外れていたが、ガイドの江澤さんらもバスに乗り込み、夕日の名所という丘の上の国民宿舎跡地に立ち寄ってから岬へ。岬から見える風景などの説明をしたあとも、ついでだからと官軍塚から市役所、市営駐車場へと予定外のルートを案内してくれた。
 
 車中、過疎化や働く場がないことを嘆きながらも「災害もない。事件もない」と勝浦を売り込む江澤さんの言葉が印象に残った。
 
 市営駐車場でガイドさんたちと別れ、宿泊する「かんぽの宿勝浦」へ向かった。