祭り屋台に乗っちゃった 友好都市・勝浦を行く(2)

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 きらっとシニア倶楽部の勝浦訪問2日目は観光気分に浮かれていられない。まず朝市で出店者と対話し、勝浦の友好都市である西東京市の認知度などを問うアンケートにも答えてもらわなければならない。
 
 同じような調査は4年前に訪れた姉妹都市福島県下郷町でも行い、3人中2人が西東京市を知っているという結果が出た。
 
 今回も1人が勝浦市23人から聞き取ることを目標とした。結果はシニア向け地域情報紙「きらっと☆シニア」の勝浦特集号(11月発行予定)に掲載される。
 
 かんぽの宿を午前830分にバスで出発。勝浦市観光協会の観光案内所が下本町の朝市通りの真ん中あたりにあり、この日の出店数を聞くと34店だった。「稲刈りで出てこられない農家の人もいます。日曜だと60店を超えます」。
 
観光客よりも地元の客が目立ち、「おはようさん」と声をかけあったり、「おまけしとくよ」と昔ながらの和やかな対面販売が繰り広げられたりしていた。
 
 一行は自分の買い物や出店者とのやりとりで小一時間を過ごし、祭り屋台の見学へ。この屋台こそ、勝浦市西東京市を結びつけた縁のものなのだ。
 
 それは勝浦市の上本町屋台の彫刻と西東京市の田無神社本殿(東京都指定有形文化財)が、江戸時代の有力な彫り物大工、嶋村俊表(しゅんぴょう)の作であること。
 
 朝市通りにほど近い勝浦区三町祭屋台保存館に上本町の屋台があり、市文化財審議会会長の松田征男(ゆきお)さんが一行の到着を待っていた。市の観光商工課が仲介の労を取ってくれた。
 
 屋台の脇障子は三国志の武将の雄姿を題材としていることなどを説明し、「躍動感がすごいでしょ」と松田さん。下部には確かに「俊表」の銘。「舞台に上がり、間近に見て」との厚意で、何人もが大喜びで屋台に上った=写真=。
 
 彫刻の一部に俊表が携わったという下本町の屋台を見て、松田さんが借りてきた俊表作の恵比須と大黒(個人蔵)を手に取らせてもらう人もいた。
 
 屋台見学の次は意見交換会。当初は市民レベルの交流を望んだが、勝浦大漁まつり(1821日)が近いので市民参加の設定が難しいなどの事情から市役所職員との懇談となり、会場の勝浦集会所に「交流」と「観光商工」担当の3人が参加した。
 
 市側から地勢や農漁業など勝浦の概要と友好都市提携に至る経緯などが話された。昨年から「いんべやぁフェスタ勝浦」に代わるイベントとなった11月の「かつうら魅力市」に西東京市保谷太鼓が来ると知らされた。
 
訪問団との質疑応答では、勝浦への移住希望者は市内のサークル活動に関心を持つ人が多いこと、観光客や移住希望者に何をセールスポイントにするか決め手探しが難しいことなどが語られた。
 
都市間交流では、小平市の児童のキャンプで勝浦海中公園に寄ってもらっており、西東京市の教育関係者にも交流事業を打診していることが明らかにされた。
 
1時間の意見交換の後、松の家で海の幸を実感する昼食を取った。
 
帰路は守谷海岸で海の透明度の高さとリアス式海岸の奇景を目の当たりにした。鴨川市大山千枚田南房総市の道の駅「富楽里(ふらり)とみやま」に立ち寄り、午後6時半ごろ、無事帰着した。