枯れた水源から湧水豊かな上流域へ 東久留米・黒目川を歩く

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 北多摩自然環境連絡会主催の「小平霊園と東久留米の湧水と歴史を訪ねる」は1119日、東久留米自然ふれあいボランティアの豊福正己さんの案内で行われ、11人が参加した=写真は黒目川源流の天神社前右岸。
 
 西武新宿線小平駅北口から霊園北部の雑木林の中にある「さいかち窪(くぼ)」へ。荒川水系黒目川の水源とされるが、園内に案内標識は見当たらない。林に入ってほどなく、雑草に隠れた小さな湿地があり、先へ向かうとまた浅い沼地の跡のような地形が現れた。
 
 豊福さんが、2004年に撮影したその付近の写真を見せてくれた。かなり広範囲にきれいな水を満たしていた。7、8年から10年程度の周期で、大雨の後に水面が現れるという。
 
 「さいかち」は幹に鋭いトゲがあるマメ科の樹木で、カブトムシをサイカチ(サイカチムシ)ともいうようにカブトムシが樹液を好む。実はサポニンを含み、せっけんの代用品だったそうだが、すでに全滅したという。
 
 霊園北口を出て新青梅街道を渡り、東久留米市が黒目川上流域(所沢街道までの約2.3キロ)で整備中の遊歩道「さいかち道」を進む。
 
 いったん遊歩道をそれ、国の文化財になっている村野家の薬医門と母屋のかやぶき屋根を外から拝見してから、天神社前右岸の湧水ポイントに着いた。
 
 川幅が広くなり、のぞきこむと壁際から水が湧き出しているのがはっきりとわかる。「東京の名湧水57選」(2003年選定)の標柱が立つ。東久留米市内ではほかに2カ所が選ばれた。
 
 天神社に立ち寄り、黒目川下流域が始まる「しんやま親水公園」を抜ける。下里氷川神社から先は、それまで小川のたたずまいが、広く大きな一級河川の姿に変わる。左岸のガードに「黒目川湧水点」の表示板がかかり、大きなコイの群れが見えた。
 
 黒目川とはここで別れ、坂道を北へ上り、野火止(のびどめ)用水沿いのバス停三角山に近い集会施設で昼食をとった。自らも湧水調査に参加した豊福さんは、150トン以上の湧出量がないと「湧水点」と呼ばないこと、池は1地点に絞るなど市独自の定義を設けて湧水マップが作られたと話した。(下の写真は、数年に1度湧水がたまる小平霊園内の「さいかち窪」)
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