貸し切りバスによる見学ツアーで24人が参加した。
首都圏外郭放水路は、水がたまりやすい皿のような低地が広がる中川・綾瀬川流域の水害を減らすため、あふれた中小河川の水を地下トンネルに取り込み江戸川に排水する施設。
なかでも、水をため込む世界最大級の地下空間には床と天井をつなぐ太いコンクリート柱が林立。その光景が古代ギリシャの神殿を思わせ、映画などのロケに使われることから人気が高まっている。
そこに入る前に、地上施設「龍Q館」2階の展示室で約20分間の学習。床に描いた地形の説明があり、DVDや模型を見ながら放水路全般について知識を得た。
1階ロビーに移り、ストレッチで116段の階段に備える。集合住宅の6階に相当し、この日の水槽内の気温は9度だと言う。
晴れ渡り、風が冷たい外に出て、出入り口のためだけにあるような小さい建物から階段を下る。地底に着くと、女性広報員が「重さ500トンの柱59本と天井が重りとなって水槽が浮き上がらないようにしている」と説明した。
記念の集合写真を撮った後は何人もが広報員を取り巻き、柱に書かれた表記の意味や床のコンクリートの厚さ、水槽の容量の限界など矢継ぎ早に質問して知的好奇心の旺盛さを見せていた。
昼食は関宿城博物館の休憩所でとり、地元生まれで80歳を超えたという元気な男性サポーターにたっぷり1時間、案内してもらった。江戸川を使って江戸と結ぶ舟運の盛衰がまちの盛衰であり、今や働く場所も田畑もなくなった。数少ない野菜専業農家もこの先は危ないとの嘆き節が耳に残った。