飛鳥山は江戸一番の花見の名所

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 西東京市郷土文化会の10月例会は4日、30人が参加し、東京都北区の北区飛鳥山博物館を見学した。

 西武池袋線ひばりヶ丘駅に集合。池袋駅でJR山手線に乗り換え、大塚駅前から都電荒川線飛鳥山電停下車。本郷通りを越えた飛鳥山公園を少し歩くと、大きく張り出した玄関のひさしが特徴的な飛鳥山博物館に着いた。

 歴史全体を担当する女性学芸員が約40分、常設展示室の主だったものを解説してくれた。

 奈良・平安時代に郡の役所が徴収したコメを収めた正倉=写真=の後、日本最大級とされる縄文時代貝塚の層を見せる「はぎ取り標本」、弥生時代の住居と時代を順に追う。飛鳥山は、江戸時代には徳川吉宗により山桜が大量に植えられ、江戸一番の花見の名所に。花見に欠かせない何種類もの弁当が再現され、「詰め方が上手」「きれいでおいしそう」と声が上がった。

 屋根から小舟を逆さにつって洪水に備えた大正時代の物置、関東ローム層の地質を生かした「滝野川ニンジン」などの地場ブランドの野菜栽培など、ご当地ならではの見どころが多かった。

 午後からは希望者が隣の「紙の博物館」を訪ねた。製紙会社OBの解説員が「当館の二大名物」と自賛する「百万塔」と世界最大の木版画孔雀明王(くじゃくみょうおう)像」。百万塔は高さ約20センチの木製の塔。中には770年の刊行とわかる、現存最古の印刷物の一つである陀羅尼(だらに)が収められていた。

 孔雀明王像は京都・仁和寺にある仏画が原画で、1904(明治37)年に光村印刷が米国での万国博覧会に出品したものを復元した。

 郷土文化会は前月、ユネスコ世界文化遺産になった和紙「細川紙」作りの技術を伝える埼玉県東秩父村と小川町を訪れており、この日、紙に関する知識をさらに広げた。(下の写真は左から飛鳥山博物館の滝野川ブランドの野菜コーナー、紙の博物館にある木版画孔雀明王像)
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