シニア5人組 北陸2泊3日の食べ歩き旅 <2>金沢・高岡・富山

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 午前6時30分の朝食から2日目がスタート。9時発のホテルの無料送迎バスで金沢駅に向かう。500円で市内中心部を1日乗り放題のバス券を買い、東口バスターミナルから乗車、ひがし茶屋街に近い橋場町で降り、雨の中を歩いた。茶屋街にまだ団体客の姿は少なかった=写真

 江戸時代末期の町家を復元した「ひがし茶屋休憩館」に入ると、ボランティアガイドの男性が建物奥の「坪庭」や土間のすぐそばにいろりが置かれているわけなどを説明し、道路に面した「しとみ戸」の開閉を実際に見せてくれた。金箔工芸品や麩(ふ)の店に入り、和菓子の「柴舟小出」で土産を買う。一周りして茶屋街の入り口に戻ると、大勢の団体客が記念撮影をしていた。

 今回の旅行に参加できなかった1人に金沢出身者がいて、ずいぶん助言を得た。その友人が生まれ育ったという主計町(かずえまち)茶屋街にも足を延ばし、浅野川沿いを往復した。

 次の目的地は近江町市場。バス券を有効に使おうと橋場町の停留場でバスを待ったが、居合わせた女性と話しているうちに、「近いから歩こう」となった。

 1130分ごろの市場はなかなかにぎわっていた。行列がなく、店の外にテーブルを出した「海鮮丼いちば」に腰を下ろした。後日、インターネットでみると「市場内で1位、2位を争う小さいお店」と自己紹介していた。2380円のあら汁付き握りずしを注文したが、ここもみんな満足そう。

バスで金沢駅に行き、新幹線で新高岡へ。駅舎を出て瑞龍寺の方向を示す標識に従って進んだはずなのに道を間違え、通行人に聞いて逆戻り。案内標識の矢印の方向が道路の手前と向こう側とで違っていたことが重なり、ふだんはダジャレを連発して場の空気を和ませている友が「サイン設計のミスが多すぎる」と怒りをあらわにした。

 前田家ゆかりの瑞龍寺は広大な境内、太い柱材、仏殿屋根の鉛ぶきなどに往時の権勢がしのばれる。、山門、仏殿、法堂はいずれも国宝に指定され、重要文化財の建築物も多い。女性のボランティアガイドが懇切丁寧な説明をしてくれた。

 新高岡駅から富山にはあっという間に着き、東横イン富山駅前Ⅰにチェックイン。「今夜は肉でしょ」との幹事長方針に従い、フロントで紹介された焼き肉の「大将軍」本店へ向かう。開店前だったが、間もなく開けてくれた。

 酔わないうちにと、介護老人保健施設に勤める友が先生になり、勉強会を行った。3種類の資料が配られ、「入所段階を迎えた時点」を前提に老人ホームや高齢者施設の種類や特徴を解説してくれた。

メニューに能登牛のステーキはなかったが、特上カルビのさらにランクが上の肉はさすがにうまく、通風を患って焼き肉を規制していた男も禁を破って堂々と参戦したのだった。焼酎は一番安いボトルにしたが、節約効果はなかったらしく、勘定書きを見た幹事は「もうぜいたくはできないぞ」と初めてブレーキをかけた。

それでも前夜同様、胃袋は満たされず、「お好み焼き」の赤ちょうちんを見つけて「やけるやんか」に飛び込んだ。お好み焼きに塗ったソースの上に、マヨネーズで波線を描く女性従業員の鮮やかな手さばきだけが記憶に残っている。

この日も2万歩に達した。