雑誌「谷根千」の26年と今とこれから 編集者・山﨑さん語る

イメージ 1 柳沢公民館主催の編集講座「地域雑誌『谷根千』がやってきたこと・できたこと~地域誌でまちづくり~」(全2回)の1回目が2月23日、同公民館で開かれた。

 「谷根千(やねせん)」は「地域雑誌 谷中・根津・千駄木」の名前を縮めたものが地域を指す言葉として定着したという。雑誌は1984年、菊まつりを特集して創刊、2009年に販売不振により94号で終刊となった。

 講座は、雑誌の創刊から終刊まで編集に携わり、雑誌がなくなってからも地域活動に取り組む谷根千工房代表取締役・山﨑範子(やまさきのりこ)さん=写真=を招き、地域誌の役割や可能性を考えるのがねらい。市民17人と「公民館だより」を担当する各館の職員が参加した。

 山﨑さんは東京の下町の歴史や情緒を残す谷根千の風景の写真を映して説明。雑誌づくりでは、聞いた話の裏付けやメモ取りに悪戦苦闘した経験や特集にまつわるエピソードなどを話した。

 発行は、取材から制作、配達、事務作業までの工程から季刊(年4回)とした。自分たちの小遣いも出る採算ラインは7千部。地域の全世帯数の3分の1にあたり、300余りの店舗に販売を委託した。創刊から3、4年後には1万部を超えた。

 市民活動では。地域ドキュメンタリー映画上映会など谷根千工房が主宰するもの、赤れんがの東京駅を残すことや日暮里富士見坂から再び富士山を眺望できるようにするプロジェクトなど主体的に関わってきたものなどが紹介された。

 当面は、取り壊されたのこぎり屋根の織物工場から譲り受けた部材や見本帳など「谷根千記憶の蔵」にある収蔵品の資料アーカイブづくりだという。

 講座の2回目は3月23日に「作り方実践編」などを行う予定。