戦後、奈良大和路の風物を約半世紀にわたり撮り続けた入江泰吉の写真展「心の原風景 奈良大和路」が東京・赤坂のフジフイルムスクエア写真歴史博物館で開かれている。
展示されているのは、入江がモノクロ写真からカラー写真に転じた昭和40年以降、晩年の平成初めまでの作品24点。
入江が戦後最初に撮影した仏像である東大寺戒壇堂の広目天像や興福寺の阿修羅像、世界遺産の空中都市マチュピチュのように眼下に広がる花の吉野山、花盛りのシャクナゲの季節とモノトーンの雪景色という対比の中に身を置く室生寺五重塔などが、独特の抑えた色調でとらえられている。
入江作品は風景・仏像・行事・花に大きく分けられるとされ、その中から入江作品を理解するうえでポイントとなるものを選んだという。入場無料、22日まで。