西東京市東伏見の地下に眠る縄文時代中期(約5千~4千年前)の大集落、下野谷(したのや)遺跡(国史跡)の暮らしや自然をCG(コンピューター・グラフィックス)で再現し、タブレット端末で見てもらうイベントが3月26日、東伏見小体育館であった=写真。
「VR(仮想現実)で下野谷遺跡を大冒険」と題し、市と市教委が主催。雨天のため、予定していた下野谷遺跡公園から会場を代えた。約3千万円をかけたデジタルコンテンツと専用端末50台がそろい、この日のお披露目となった。
VR体験には抽選で当たった約300人が参加した。定員の約2倍の609人が応募する人気だった。
1グループ10人前後として時間差でスタート。端末画面には、本来は遺跡現場でGPS(全地球測位システム)により実際の方向に合わせて画像が現れるが、教室など現場以外でも活用できるようボタン操作で使えるようにした。
遺跡の地図を描いた画面には4つのボタンがある。土器のボタンからは、土器や石皿を自在に回転させ立体的に見ることができるほか、竪穴住居の中に入り家族それぞれの仕事ぶりなどをぐるりと見たりできる。
小学生2人の母親は「子どもたちにスマホやタブレットを使わせていないけど、今日体験して価値観が変わりました」と話した。ある市議は「面白かった」と言いながらも、「遺跡を理解してもらう入り口としてはよいが、1回使えば終わってしまう」と指摘し、「次なるコンテンツに注目したい」。
また、遺跡公園に行くと、スマートフォンでもVR映像を楽しめるアプリケーションを4月中にも提供する予定という。
VR体験に先立つオープニング式典では丸山浩一市長らのあいさつの後、東伏見小児童7人が下野谷遺跡についての学習成果を発表。総合型地域スポーツクラブ「ココスポ東伏見」の女子児童4人でつくる「ココスポジョーモンズ」は会場の手拍子を受けて「縄文体操」を演じ、盛んな拍手を浴びた。(下の写真は左から東伏見小児童の学習発表、ココスポジョーモンズの縄文体操決めポーズ)