環八通りを横断して将軍池公園に入る。広大な都立松沢病院の敷地の一部で、柵の向こうでガチョウが出迎えてくれた。ここでも「将軍」のいわれが気になるが、作業療法で造園作業に参加した患者が「将軍」を自称していたことによるという。
午後零時半すぎに出発。一休みした都立祖師谷公園はたまたま2000年に起きた世田谷一家殺害事件の現場である家屋の裏手。離れた場所から家屋の玄関側を眺めていると、家屋前に設けられたポリスボックスから若い警察官が出てきて、24時間体制で詰めていることなどを話してくれた。事件の時、その警察官は8歳だったと言い、家屋の老朽化と合わせて歳月の長さを実感した。
桐朋学園の前などを通り、武者小路実篤が晩年の20年間を妻と過ごした家などのある実篤公園に着いた。ボランティアガイドが付き、実篤が舟を浮かべるなど大好きだったという「下(しも)の池」や洞穴の水たまりに生息して黄金色に輝くヒカリモ、邸宅の部屋や台所などを丁寧に案内してくれた。