縄文の平和 集落成り立ちの多様性 西東京市の通史学ぶ

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 西東京市郷土文化会の8月例会が1日、田無公民館であり、39人が参加した=写真

 市教委文化財係の学芸員・亀田直美さんが「西東京市の歴史文化の物語を読む」と題して話し、縄文時代のムラや中世・近世の集落の成り立ちなどを解き明かした。

 亀田さんは、西東京市を一つのイメージだけで語ることの難しさについて、14世紀には水利のよい所に信仰の異なる団体が入って集落をつくっていたり、江戸時代には青梅街道の開通に伴い田無宿ができ、新田開発も進んだりと多様な歴史と文化を基盤とする共同体であるためではないかと、板碑などの史料写真を示しながら話した。

 縄文時代中期(約5千~4千年前)の生活跡を遺し国の史跡になった南関東最大級のムラ「下野谷(したのや)遺跡」(東伏見地区)についても詳しく説明したうえで、「千年も戦争がなく、自然と共生したエコの時代」と指摘。その後の歴史や文化と合わせて考えることで「未来の西東京市を素晴らしいものにしてください」と結んだ。