谷戸公民館主催の教養講座「葛飾北斎入門」(全3回)が10月10日始まった。1回目は、昨年11月に開館した「すみだ北斎美術館」(墨田区)の学芸員、五味和之さんが「すみだが生んだ偉人 北斎」と題して話した。
有名な「冨嶽三十六景」は、日本では「凱風快晴」(赤富士)に人気があるが、外国では「神奈川沖浪裏」が断然一番という。
そんな北斎の誕生から幼少時、絵師への道、90歳で死ぬまでの節目の出来事やエピソードが語られ、薄利多売の「錦絵」と高価な画材を使う同好会向けの「摺物(すりもの)」との違い、版元が仕切る浮世絵製作の分業ネットワークなども解説された。
この講座は定員20人で募集されたが、申し込み開始時刻から電話が殺到し、何度も掛けなおしたり「キャンセル待ち」が出たりするほどの人気ぶり。軽妙でわかりやすい五味さんの話にみんな熱心に聞き入っていた。