両国駅周辺 北斎ゆかりの地を歩く

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 江戸後期の浮世絵師、葛飾北斎について学ぶ西東京市谷戸公民館講座「葛飾北斎入門」の受講生が1017日、JR両国駅墨田区)周辺にある北斎ゆかりの地を歩いた=写真は旧安田庭園にある駒止石。

 コースづくりとガイドは、前回の講座で講師を務めたすみだ北斎美術館学芸員・五味和之さん。受講生たちは両国駅西口に集合し、雨が上がった午後1時すぎに出発した。

 国技館切符売り場を右に見て、最初に訪れたのは旧安田庭園。池の近くで横になっている「駒止石(こまどめいし)」が、元は隅田川の岸辺に立っていたことが説明され、隅田川親水テラスに出て北斎が描いた地点へ向かった。そこはJR総武線の鉄橋付近だが、説明板などはなく、五味さんの案内があればこそ。

 昔よりも約100メートル上流に架かる両国橋をくぐったところで国道14号に出て回向院、旧吉良邸跡、勝海舟生誕の地の両国公園、榛(はんのき)稲荷神社に立ち寄った。

 吉良邸跡とは遠い昔でつながる。北斎は自分の母の先祖が吉良上野介を守って討ち死にしたと自慢していたといい、「本人が話したのなら信じるしかない」と五味さん。

榛稲荷神社は清澄通りから少し西に入った所にある小さな神社。社そのものではなく、神社の脇の長屋で晩年の北斎が暮らしたことの意味が大きい。弟子が「北斎仮宅写図」を描いた。北斎90年の生涯で住居が特定できるのはここだけという。

清澄通り側の江戸東京博物館(閉館中)から東に延びる北斎通りは本所割下水(わりげすい)跡で、道路を真ん中で分ける用水が流れていた。北斎はこの割下水付近で生まれたとされる。

北斎通りに面した公園の先に、間もなく会館1年となる、すみだ北斎美術館がある。窓のない全面アルミニウム壁の造形が印象的な美術館に着き、1時間余りのまち歩きを終えた。

最後の第3回講座は31日、「北斎が西洋の作品に与えた影響」をテーマに国立西洋美術館で行われる。(下の写真は左から隅田川親水テラス、榛稲荷神社
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