下野谷遺跡 保存活用計画へパネル展

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 西東京市教育委員会は、国史跡となった下野谷(したのや)遺跡の保存活用計画(素案)をまとめた。素案は7枚のパネルに見やすく要約され、1月下旬の4日間、東伏見ふれあいプラザで展示、担当職員による説明も行われた=写真は1月31日。

 パネル展は住民説明会やパブリックコメントとともに市民の意見を市の施策に反映させるための手法。下野谷遺跡のパネル展には計約40人が訪れた。

 東伏見地区の地下には5千~4千年前の縄文時代中期の大きな集落跡があり、遺跡公園を中心とする西集落の一部が2015年に国の史跡に指定された。市教委は1617年度で遺跡の保存活用計画を策定することにして学識経験者らからなる策定懇談会をつくり、先ごろ素案をまとめた。

 パネル展では、史跡の長期的な整備のイメージとして、史跡内に竪穴住居や掘立柱(ほったてばしら)建物などの遺構を復元、史跡の内と外に植栽による縄文景観(縄文の森)を再現、史跡外に解説・展示施設を置くことを示した。

 これを踏まえ、短期的な整備案として、現在の遺跡公園とその両隣の土地を一体的に扱うこととし、公園と西側を建物復元を含む「遺跡整備ゾーン」、公園東側の大部分を多目的広場などを含む「縄文体験ゾーン」としている。

 縄文時代や下野谷遺跡を解説したり、出土した遺物を展示したりするガイダンス施設は、史跡に近接してあることが望ましいとするが、文化財を活用した学習、出土品の収蔵、情報発信センターなど多くの機能を持つ「地域博物館」の設置へ向けた検討が必要だとした。

 パネル展で寄せられた意見は策定懇談会で検討され、3月中に最終的な保存活用計画が策定される。