産廃物の再資源化と里山保全を見る 埼玉・三芳町の石坂産業

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 西東京市郷土文化会の2月例会は13日、産業廃棄物中間処理業・石坂産業(埼玉県三芳町)のリサイクル工場と三富(さんとめ)今昔村で行われた=写真はコンクリートを重機で破砕するプラント。

 石坂産業は、ダイオキシン問題に対応し焼却処理からリサイクル業に転換することで、“産廃銀座”と呼ばれた地域で唯一生き残った。それをリードしたのが社長の父と交代した娘だったことや、里山保全して環境学習の場とするなどの経営が話題となっている。見学者数は年間約3万人という。

 例会には22人が参加。西武新宿線航空公園駅前から同社までバスで約20分。「くぬぎの森環境塾」で30分ほどオリエンテーションがあり、バラやカズラが覆う長いトンネルの歩行者用通路を本社ビルへ。

 同社は役員、管理職とも女性の方が多く、トンネルも「女性の感覚を生かす運営」の一つとか。

 緑化された塀の内側を見て、ほこりや騒音を外に出さないという全天候型の総合プラントに入る。見学通路を進み、トラックで運び込まれたコンクリート廃材を重機で小さく砕いたり、混合ごみを重機で仕分けたりする現場、コンベヤーで流れる細かな混合ごみを徹底的に分別する手選別のラインを窓越しに見た。重機は電動、車両のタイヤ洗浄には雨水利用などの環境対策を講じているという。

 最後の金属ごみ処理棟を出てアミューズメントパークへ。太陽光発電の電気で走る1周400メートルのミニSLに乗り、ツリーハウスやフィールドアスレチック、鎮守のやしろなどを見ながら散策した。

 クヌギやコナラをはじめ里山を彩るはずの植物の多くが葉を落とし、見通しのよい風景の公園を休憩・教育施設「くぬぎの森交流プラザ」まで歩き、一連の見学を終えた。

 今回の例会は航空公園駅前~会社間の送迎バスと、正味約2時間半のガイド付き見学と合わせて参加費は1人2千円。工場見学は予約制だが、大人は森の保全費として500円を払えば、東京ドーム4つ分という広さの三富今昔村を楽しむことができる。(下の写真は左から、歩行者通路のカズラの小道、自然エネルギーを使ったミニSL)
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