正確に言うと、大学時代の友人が集まることになっていた相模原市のホスト氏が、前触れなく案内してくれたのだ。
学習館へはJR相模線原当麻(はらたいま)駅から車で10分足らず。彼自身が市の文化財調査・普及員の肩書を持ち、まずエントランスホールで床に描かれた黒曜石の原産地と当地との位置関係がわかる地図の説明をしてくれる。床下には、出土した2万年前の黒曜石と同じ産地の原石も展示されている。
遺構は石ころで囲まれた直径10メートルのほぼ円形。炉や柱穴の跡、約3千点の石器類が確認された。住居状の遺構としては国内で最古という。
調査状況などを記録したビデオでは、広い家の中に炉を備え、大がかりに石器が作られていた遺構は「日本でここだけ」と語られていた。工房跡だとすれば、定住へ一歩を踏み出した跡かもしれないとも語られ、興味深い。
学習館を出て県道を渡った向かい側に遺跡公園があり、2万年前の住居状遺構が復元されている。本物の発掘現場は埋め戻され、この下に保存されている。
公園には旧石器時代だけでなく、公園から少し離れた所にあった古墳時代の小型の円墳が復元されている。縄文時代中期の竪穴住居は2年前に火災で焼失し、更地になっていた。ただ弥生時代の遺物・遺構は見つかっていない。