20世紀初頭の欧州絵画界に、ピカソとともにキュービスム(立体派)という革新をもたらした画家の作品展「ジョルジュ・ブラック展」が、東京・汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開かれている=写真。6月8日には関連イベントの最後となる、学芸員によるスライドトークがあり、約50人が展覧会の見どころなどに聞き入った。
展覧会の副題は「絵画から立体への変容―メタモルフォーシス」。メタモルフォーシスとはブラックが最晩年の1961~63年に制作した、一連の平面作品と立体作品の総称とされ、約100点に及ぶ作品群の本格展示は日本で初めてという。作品の多くはフランスの美術館の収蔵品。
展示は、立体作品の下絵となったガッシュ(不透明水彩)画やそれから派生したリトグラフ(石版画)と金箔(きんぱく)による作品を集めた「平面」から、皿やつぼなどの「陶器」、指輪やブローチなどの「ジュエリー」、ブロンズの鳥などの「彫刻」、ステンドグラスやタピスリー(タペストリー)などの「室内装飾」へと進む。
担当学芸員は、ブラックが絵をジュエリーに変容させた理由について「頭の中にある図版を取り出して立体で表現し、触れるものに実現したかった。ジュエリーは一番の見どころです」と話した。
同展は24日まで(水曜休館)。一般1千円、65歳以上900円など。