歌川広重(1797~1858)の代表作「東海道五拾三次」の特別展が開かれている八王子市夢美術館で6月16日、外部の専門家によるギャラリートークがあり、会場に入りきらないほどの人が集まった=写真は特別展会場入り口。
作品解説をしたのは中山道広重美術館(岐阜県恵那市)学芸員の前田詩織さん。前田さんはまず、保永堂版の爆発的ヒットとなった時代背景について名所図会などの出版物が出回り、「東海道中膝栗毛」が大ベストセラーになったこと、インフラ整備も進んだことなどを挙げた。
「箱根宿」では、「保永堂版は山水画の影響が顕著。構図に変化があり飽きさせないが、視点がいくつもあって不自然。丸清版は俯瞰(ふかん)していて穏やかだが、きれいすぎる。ぱっと見て感情移入しにくい」などと話した。
美術館によると、ピーク時には予想を大きく上回る約150人の観覧者があり、1時間の解説を聞き終えてから作品を見る人が多かった。
展示は7月1日まで。月曜休館。観覧料は一般500円。65歳以上は250円。(下の写真は美術館入り口)