「縄文土器に触った、持った」 三鷹で講演会と展示会

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 三鷹市主催の考古学講演会が1013日、市公会堂さんさん館であり、約80人が参加した。参加者たちは講演後、市役所1階ロビーに展示された縄文土器に触ったり持ち上げたりして縄文の世界に思いをはせた=写真は初公開の曽利式土器を説明する矢島教授(左から2人目)。

 講演会は、矢島國雄明治大教授(考古学)が「三鷹の縄文~さわるとわかる、ホントのこと~」と題して話した。

 土器などの資料の取り扱いでは、「取っ手や首などのつなぎ目は弱いので持ち上げない」「落とさないように脇と底に手を当てる」などと細かく注意点を説明。

 また研究者が土器をどのように調べ、分類するかや時代区分、文様の特徴などを解説。抽象的な文様が何を表現しているのかの正解はないと言えるとしたうえで、「5千年前の縄文人が何を願い、意識していたかを考えながら見ると楽しい」。

 このあと移動した市役所ロビーでは「三鷹の縄文 さわれる展示」(16日まで)が開かれており、ほぼ完全に復元された縄文土器12点を展示。このうち9点は素手で触ることができ、その中の3点は持ち上げて重みを感じることもできる。この種の展示会では初の試みという。

 この日は土曜閉庁で一般市民の来訪がなく、市は講演会参加者にはケース入りの初公開2点も触れられることにした。

 一つは、首から腕が伸びているように見え、3本指がデザインされた「人体文」が上部に、サンショウウオとみられる文様が下部に描かれた勝坂式。もう一つは表面をへらでひっかいて渦巻き(連弧文)を描き出し、細い粘土ひもを波状に貼り付けた重厚な文様の曽利式。

 参加者たちは口縁部や文様部分を指でなぞって感触を確かめ、出土した地点や復元までの期間などを質問していた。(下の写真は土器の感触や重みを確かめる参加者、人体文を付けた初公開の勝坂式土器)
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