五味さんは、この絵図の特徴について、鳥が空から見下ろしたような鳥瞰(ちょうかん)図であり、方角も距離も一切無視しているのに53の宿場全てを順番に1枚に収めたことを指摘。
そのうえで絵図の日本橋を出発。浅間社の人穴(現在の横浜市)や東海道から外れた目黒不動などの名所、小田原の薬店「ういろう」などの有名店やうまいもの店のほか、「▲武相」と印して国境を表したり藩の石高を書き込んだりと、絵図が行程にとどまらない「マルチガイドブック」であることを具体的に説明した。
五味さんは「現代人が見ても楽しく、飽きない。人穴が今はないなど時の移ろいもわかるので、この絵図で遊んでほしい」。(下の写真は、北斎の画業を熱く語る五味さん、A4用紙4枚に分割コピーした東海道名所一覧の絵図)