「北斎の東海道」名所一覧でたどる 谷戸公民館で講座

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 西東京市谷戸公民館主催の芸術講座「北斎東海道を満喫」が1023日、同館であり、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎が描いた「東海道名所一覧」で江戸の日本橋から京の三条大橋までの道のりをたどった。

 講師は、すみだ北斎美術館学芸員の五味和之さん=写真。

 東海道名所一覧は北斎58歳の時、1818年に刊行された錦絵で、A4判の紙4枚を上下2段に並べた大きさという。原画を4分割したカラーコピーが参加した約30人に配布された。

 五味さんは、この絵図の特徴について、鳥が空から見下ろしたような鳥瞰(ちょうかん)図であり、方角も距離も一切無視しているのに53の宿場全てを順番に1枚に収めたことを指摘。

 そのうえで絵図の日本橋を出発。浅間社の人穴(現在の横浜市)や東海道から外れた目黒不動などの名所、小田原の薬店「ういろう」などの有名店やうまいもの店のほか、「▲武相」と印して国境を表したり藩の石高を書き込んだりと、絵図が行程にとどまらない「マルチガイドブック」であることを具体的に説明した。

 五味さんは「現代人が見ても楽しく、飽きない。人穴が今はないなど時の移ろいもわかるので、この絵図で遊んでほしい」。(下の写真は、北斎の画業を熱く語る五味さん、A4用紙4枚に分割コピーした東海道名所一覧の絵図)
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