皇居周辺の歴史散策 南部歩き1周達成

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多摩北部の有志でつくる北多摩自然環境連絡会主催の「皇居周辺歴史散策」は1115日、半蔵門付近から二重橋付近にかけての南部約5キロのコースで行われた=写真は日比谷公園に残る江戸城の外郭城門の一部。

今季一番の冷え込みとなったが、日中は雲一つない小春日和に恵まれた。13人が参加し、皇居周辺を1周することになる3回シリーズの最後を楽しんだ。

午前10時過ぎに東京メトロ半蔵門線半蔵門駅1番出口を出発。半蔵門は皇居周辺で最も標高が高く、「今日は下りの行程」とガイドの豊福正己さん。江戸城内に危急があれば甲州街道への逃げ道。大手門の正反対に位置する。

午前中は国立劇場前庭、最高裁前、国会図書館前、国会前庭を通り、霞が関坂を下って日比谷公園へ。

国立劇場前庭では、米国ワシントンに贈った桜から新品種が生まれ、逆輸入された「ジンダイアケボノ」、最高裁の前では外壁が「稲田石」とも呼ばれる茨城の御影石三宅坂ではユリノキの並木と自然系の話題が続く。

国会前庭は北地区で日本水準原点標を収める石造庫や石垣で組んだ大井戸などの文化財三権分立を象徴する時計塔などを見る。憲政記念館前のマンホールのふたに「衆」の字が丸で囲まれたマークがあり、写真を撮る。

南地区に移るため「国会前」交差点の横断歩道を渡っていると、短く鋭い警笛が響いた。欧米系と見える若い外国人2人が車道を渡ろうとしていた。外国人のマナー違反での警笛は、二重橋前の広場の垣根を越えて松林に入った時にも聞いた。南地区は和風庭園の風情。池の周りで一休みした。

正午ごろ日比谷公園の霞門に着き、草地広場で約40分間の昼食休憩。広場は菊花展の会場になっており、各部門の優秀作品を収めた小屋が取り巻く。旅行者やオフィス街から休憩に来た人たちが鑑賞していた。

日比谷公園は噴水や音楽堂、花壇など季節の風物のほかに、歴史的記念物にあふれている。雲形池の周りには明治初めの「京橋の欄干柱」、日本で3番目に古い銅製の鶴の噴水、開園当時の鋳鉄製の馬の水飲み施設。

心字池の周辺には、大正時代に南太平洋ヤップ島(現ミクロネシア連邦)から寄贈された長径1メートルを超える石の貨幣や南極の石、石垣の一部を残す日比谷見附跡などがある。

さらに祝田門を出るまでに大正時代の公園事務所、3~5万年前の松の木珪酸(けいさん)質の液がしみ込んでできた珪化木、巨石を四角にくり抜いた江戸時代の上水道の石ます、開園当時のアーク灯などをじっくりと見ることができた。

この日は1時間20分をかけても、ほぼ一筆書きのルート。少し回り道をすればもっと多くの記念物や彫刻が見られるという。

祝田橋を渡ると皇居外苑楠木正成銅像周辺や正門前広場は外国人観光客でにぎわっている。「二重橋」は、厳密には正門石橋の奥に見える橋が二重構造になっていたことから名付けられたことなどを教わり、午後2時半過ぎに解散した。(下の写真は国会北側前庭にある日本水準原点標の収蔵庫、日比谷公園内の馬の水飲み施設)
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