小野さんは、雅楽が古代からの日本独自の音楽であったり、皇室の行事や神社で奏でられたりする音楽と思われているイメージを否定。
外来音楽の最古の大規模演奏は東大寺の大仏開眼供養のとき。このような仏教法会で外来音楽を用いる流れをつくったのが伎楽(ぎがく)を重用し育てた聖徳太子で、それは日本古来の神道的な音楽の外来音楽化と外来音楽の日本化を起こし、現在の雅楽が成立する素地をつくったと、聖徳太子が果たした役割の大きさを述べた。
講義に続き、大阪・四天王寺の舞楽大法要のDVDが上映され、太子の霊を供養する聖霊会(しょうりょうえ)が古代仏教法会と芸能の融合であることや、太子を神と見立てた神事と仏教法要が折り重なってできていることなどが説明された。