縄文の住居跡が出た 下野谷遺跡で現地説明会



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 縄文時代中期(4千~5千年前)の大集落跡、下野谷(したのや)遺跡(東伏見)の発掘調査現場で3月9日、現地説明会があり、2回合わせて約50人が参加した=写真。

 現地説明会は下野谷遺跡が2015年に国史跡に指定されてから初めて。

 市教育委員会が今月遺跡の整備基本計画を策定するのを前に、市民に遺跡を身近に感じてもらい、整備に向けての意見を聞くのがねらい。

 遺跡公園の東側2カ所で第28次調査が行われており、それぞれ縦10メートル、横7.5メートルの幅で地表から約1メートル掘り起こした。複数の住居跡や墓とみられる土坑などが見つかっている。

 地の底には土器や石器のかけらの場所を示す「くし」が何本も立ち、記録される。解説に当たる市教委社会教育課の学芸員、亀田直美さんは雲母を混ぜてキラキラ光る阿玉台(あたまだい)式土器のかけらや石斧(せきふ)の頭部分を作業現場から上げてもらい、参加者の目の前で見せたり、触ってもらったりした。調査が終わると埋め戻し、遺構を保存するという。

 発掘現場の近くには、初調査や一連の調査で出土した土器、石器を展示するテントも設けられ、参加者から原料の粘土の採取場所などの質問が出ていた。

 市は新年度予算に下野谷遺跡関連の事業費として約2億9千万円を計上し、史跡に追加指定された用地の買い上げや整備のための実施設計などを行いたいとしている。
(下の写真はこれまでの調査で出土した土器などの展示説明)
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