令和初日の5月1日、「5種の花の競演」とうたう旅行会社の日帰りバスツアーに参加した。
JR中央線三鷹駅前を出発し、笠間稲荷神社(笠間市)の「八重の藤」、水戸偕楽園(水戸市)のツツジ、国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)のネモフィラと菜の花=写真=、チューリップを巡るコース。花好きの知人が声をかけてくれた。旅行代金は6980円。
三鷹駅前を午前8時出発、首都高新宿線・高井戸インターチェンジ(IC)から高速道を乗り継ぎ、北関東道・友部ICで下りて笠間稲荷神社の駐車場に10時10分ごろ着いた。ここの出発は10時50分。
神社の楼門をくぐると拝殿右側に二つの藤棚があり、2株とも樹齢約400年で県の天然記念物。なのに、奥にある八重の藤が脚光を浴びる。花が濃い紫色でブドウの房のように花弁が集まって咲き、実を付けない珍しい種類という。
添乗員は出発時に「花は全て見ごろです」と話したが、まだ三分咲きといったところだ。説明板には「毎年5月10日ごろに花を咲かせる」と書いてあった。それでも「ブドウの房」らしさは見ることができた。
偕楽園には東門から入った。好文亭の手前に目的のツツジはあった。丸く刈り込まれたキリシマツツジがいくつもあり、目に痛いほどの真っ赤な花が覆っていた。ツツジ山の華美とは別の、植木職人の熟練の技と美意識が感じられる。赤い小山を背に、次々とカップルがパートナーの写真を撮っていた。
西口・翼のゲートから入場し、添乗員が勧めた通りに左回りで進む。とっくに花を落としたスイセンガーデンを過ぎると、黄色い花が盛りの菜の花畑と、その向こうにネモフィラの淡い青色の花を敷き詰めた「みはらしの丘」が広がっていた。
新聞報道によると、ネモフィラは4月24日に満開となり、テレビでもその美しさや観光客のにぎわいを伝えていた。見ごろは少しも衰えることなく、この日も大勢の観光客が丘の小道を埋め尽くし、絶景ポイントを選んでは写真を撮っていた。
丘を南に下り、西口に戻る途中の「たまごの森フラワーガーデン」には開花時期や花弁の色・形などが異なる約250品種25万本のチューリップが植えられ、ほとんどの区画が見ごろを保っていた。スマートフォンで接写する若い人が目立つ。
「時々雨」の予報は、見学中は当たらず、大きな交通渋滞に巻き込まれることもなく、春の花を堪能。旅行会社の予定通り午後7時ごろ、雨の三鷹駅前に着いた。