今年度は「大乗経典の魅力を語る」を統一テーマに年内6回の開催が予定されており、1回目は田上太秀(たがみたいしゅう)駒澤大学名誉教授が「ブッダになれない人はいない―釈迦の最後のことば―」と題して話した。公開講座は聴講無料で、この日は約180人が参加した。
涅槃経(ねはんぎょう)を学ぶことで仏教の素晴らしさを知ったという田上氏は、涅槃とは「至上の安らぎ」をいい、安らぎを「借金を完済し、借金取りに追い回されなくなった状態」と例えた。
涅槃経では、釈迦(しゃか)は生類の中に生きていると説き、これを「仏性(ぶっしょう)」(ブッダになる可能性)と表した。仏性は形がないが、体の中にあるとされる。
また経典は、釈迦のようなブッダになるためには、さとりを求める決意―「菩提(ぼだい)心」を起こすこと、そして、さとりへの八つの行いである「八正道(はっしょうどう)」を実行することが重要だと説いている、などと話した。