天空の絶景 蔵王・お釜ツーリング(その1)

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 蔵王の火口湖・お釜を見たくて7月7日、西東京市の自宅から1泊2日のバイクツーリングに出た=写真は蔵王町遠刈田の「こけし橋」。

 インターネットで情報を集め、宮城県蔵王町の観光案内所からどっさりパンフレット類を送ってもらい、万端の行程表を作り上げての出発だったが、ぐずつく天候が続く今年の梅雨はこの朝も小雨を降らせていた。

 晴雨兼用のジャケットの下はカッパのズボンをはき、ブーツカバーを付けて午前7時半ごろ、自宅を出発。大泉インターチェンジIC)から乗った圏央道の途中で雨がやみ、東北道・大谷パーキングエリア(PA)で雨具を外す。

 那須辺りでは気温18度の表示板が見え、少し寒さを感じていると、やがて電光掲示板が「本宮~村田は雨」を伝える。時速80キロ超で走っていれば、霧でもずぶぬれ。ほとんど手遅れの状態だったが、着ないよりはマシと国見サービスエリア(SA)で雨具を再度着用。同じ目的のバイクが何台か入ってきた。

 このあと、宿泊先の蔵王町遠刈田(とおがった)温泉のホテルまで雨がやむことはなかった。

 国見SAを出る時、すでに正午を過ぎていた。計画より1時間遅れ。白石ICで下り、昼食予定の白石市内の「うーめん番所」に入った時は午後1時に近かった。

 雨なのに、なかなか繁盛しているようだ。店のおばちゃんが椅子の座布団の上にビニールを敷いてくれた。「吉永小百合さんが食べた」という「葛(くず)かけうーめん」を勧められるままに選び、これも勧められるままに「みそおにぎり」を追加した。

 葛かけうーめんは、(たぶん)鶏のささ身、ゆでエビ、ササ竹のタケノコ、麩(ふ)、キャベツ、ニンジンなどが具材でヘルシーな印象。白石うーめんは油を使っていないのが特徴という。つゆはあっさりしたしょうゆ味だった。体が温まる。代金は1180円(税別)。

 1時間余りの遅れは取り戻せず、気力もさほど湧かないので、県道254号(南蔵王白石線)からそれるキツネ村の見学を断念。「弥治郎こけし村」に立ち寄るだけでホテルへ直行しようと決め、店を出た。

キツネ村のほか、254号~県道51号(南蔵王七ヶ宿線)~国道457号遠刈田温泉に向かうルート上にある蔵王酪農センターやみやぎ蔵王こけし館にも立ち寄らず、遠刈田温泉街をぶらつくこともあきらめた。「雨天でも営業しています」と書いたキツネ村の看板が恨めしい。

 弥治郎こけし村には展示室や絵付け体験コーナーなどを備えた2階建て円形建物を中心に見学できる工房3棟、こけし神社がある施設。弥治郎は江戸時代に成立した半農半工の集落の名前だという。

展示室を一周すると、伝統こけしの制作工程や様々な大きさと絵付けの弥治郎こけし、東北各地の伝統こけしを楽しめる。職員の話では、弥治郎地区の人が遠刈田温泉を中心として発達した遠刈田系こけしの技術を持ち帰ったのではないかと言う。入館は無料。

遠刈田温泉街を南北に分ける松川。ここに架かる遠刈田大橋の欄干の両端4カ所に大きな伝統こけしが立ち、「宮城伝統こけし発祥の地」とこけし産業をPRしていた。通称「こけし橋」。伝統こけしは全国で10系統しかないことを考えると、白石市の弥治郎こけし村に立ち寄ってよかったと思う。

国道457号から県道12号(蔵王エコーライン)が分岐する近くのホテルには予定より少し早い午後4時前に着いた。シングルルームの予約だったが、部屋が空いているとのことでツインルームになった。

温泉大浴場につかり、バイキングの夕食と生ビール中ジョッキ1杯で十分に腹を満たした。ご当地グルメを観察する余裕はなく、ビールをお替りする気も起きなかった。

食後もう1度温泉に入ってからスマートフォンをこの日初めて確認したところ、知り合いから電話の着信歴があった。メールで返そうと、文章を作っていたら指がどう動いたのか途中で送信してしまった。疲労感に我ながらあきれ、午後10時前に就寝した。本日の走行距離は365キロ。
(下の写真は、うーめん番所の葛かけうーめん、弥治郎こけし村の本館=いずれも白石市
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