都市農業公園は秋色 東京・足立区で公園ウオーキング

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秋色の田畑が広がる足立区都市農業公園を行く

 西東京市ウオーキング協会の9月例会は22人が参加して28日、東京都足立区西部の公園を巡った。

 

 出発点となった日暮里・舎人ライナー舎人公園駅は都立舎人公園のど真ん中にある。公園は1981年に一部開園し、なお造成中。

 

 午前10時ごろ、スポーツ施設が集まる側の西口に降りた。サービスセンターに立ち寄って公園案内のチラシをもらい、プレイグラウンドに向き合う桜の園地で「レーガン桜」を見た。明治末期に日本から米国に贈られ、ワシントン・ポトマック河畔で咲いた桜の2世が、1982年にレーガン元米国大統領夫人から贈られた「里帰りの桜」でもあることの説明板と記念碑が立つ。

 

 江北北部緑道は、高圧線の下を南北に約1キロ連なり、多くの里帰り桜が植えられている。春と秋、2度開花するジュウガツザクラが1本、ちらほらと花を咲かせていた。

 

 足立区江北の一帯は昭和初期まで「荒川の五色桜」と呼ばれる桜の名所で、いろいろな品種の花が重なり合う風景が「五色」と形容されるようになったという。それが米国に渡り、同じ血筋のものが足立区に戻ってきたのだから、区民にとって里帰り桜と五色桜は不離一体のキーワードに違いない。

 

 桜の木はその後も、江北公園から足立区都市農業公園へ向かう歩道に、1本ずつ品種の名札を付けて立ち並ぶ。都市農業公園では芝生広場の前の説明板に、里帰り桜のなかから34品種82本を植えてあると書いてあった。

 

 都市農業公園を出て、運動会の歓声に包まれていた学校名が「鹿浜五色桜小学校」と知ったことで、地域住民の桜に対する並々ならぬ思い入れを確信するに至った。花の時期、5色のグラデーションを見たいものだ。

 

 都市農業公園には正午前に着いた。レストハウスの混雑を予想して、会員の多くは見学よりも食事を先行。レストハウスでは、園内で収穫した野菜を中心としたメニューを注文したり、持参した弁当を食べたりした。

 

 レストハウスを出るときは家族連れなどが順番を待ち、外のベンチも休憩を取るサイクリング愛好者などで大にぎわい。

 

 荒川河川敷のコスモス畑はまだ咲き始めで、管理事務所の見立てでは「見ごろは来月中旬ごろでしょう」。ただキバナコスモスとコスモスが混じる自転車道わきの花壇は満開を過ぎたものがあり、種を探す人も。

 

 水田の稲は黄金色に実り、あぜにはかかしが立ち並ぶ。ヒガンバナは真っ赤に色づいた。乾燥させるため玉ネギの「すだれ」を軒下につるす古民家や長屋門を訪ねる姿があり、自家産野菜などを販売する管理事務所の「とれたてマルシェ」も関心を集めた。

 

 食事を含めて1時間30分とたっぷり時間を取った都市農業公園から、区画整理事業の完成を祝う大きな石板のある鹿浜校趾(こうし)公園、野外スポーツ施設のある上沼田東公園を経て、西新井大師境内で午後2時40分ごろ解散した。

 

 舎人公園駅から西新井大師まで、約9キロを歩いた。