「雨の中、わざわざ来てくれてありがとうございました」と娘からメールがあった。前日の10月19日、保育園での運動会が今年で最後になる孫の奮戦ぶりを見に行ったことへの礼だった。
東京の区立保育園に通う孫は、発達障害のある5歳男児。雨のため、会場が近くの小学校体育館に変わり、プログラムも昼までに短縮された。
娘は、いつもと違う場所で違和感に戸惑うわが子の姿を見て取ったが、「最後までなんとか頑張れました」と安どとちょっぴり誇らしげな気持ちも伝えてきた。
孫は障害を持ちながら、かけっこ、玉入れ、リズム体操、竹馬乗り、荒馬踊り、親子リレーと5歳児の全種目に参加した。もちろん、いつも保育士が隣についている。
孫は、かけっこも玉入れも自分が何をするべきかを認識できていないようだ。玉入れだと、玉を拾おうとせず、手に持たせてもらってもなかなか放ろうとしない。先生が優しい顔で話しかけているのが見える。
竹馬は、介護用品の歩行器に似たものが用意されていた。素材と色は竹馬そっくり。荒馬踊りでは、踊りの輪に入れなかったが、たくさんの鈴を付けた手作りの楽器を鳴らす役を務めた。他の子どもたちとの一体感を損なわせないようにとの園側の配慮を感じた。
それでも、「皆と一緒に力を合わせてやる運動会って、日本に独特のものらしいですが、いいような悪いような…」と、娘はいまひとつ釈然としない感想も書いていた。
確かになぁ、私も小学校の時は運動会が嫌いで、雨で中止になるよう祈っていた。とくにマスゲームの演技の覚えが悪く、泣いて降ろしてもらった記憶がよみがえった。