<農業講座日記> 腐葉土の切り返し 農作物は生育順調

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土づくりに大きな役割を果たす堆肥の切り返し作業

 17回目の講座は10月23日、講座用の畑での作業がなく、男性は先生の自宅の敷地内の一角で腐葉土の切り返し作業を、女性はその近くの畑でナスの最後の収穫作業を行った。

 

 先週が休講のため2週間ぶりの実習。夏が終わり、これまでより30分遅い午前9時に畑に集合した。

 

 風害などを防ぐため白菜や大根などの幼苗を覆っていた寒冷紗(かんれいしゃ)は、台風が過ぎた先週、班長と副班長が片付けてくれていた。

 

 講座の作物は台風による倒伏などの被害がほとんどなかった。白菜には先生がアブラムシ防除の薬と殺菌剤をまいておいたので、病気もほとんど出ていない。

 

 ところが、先生の畑は白菜の約2割に病気が出て、最終的に3割程度の収量減になりそう。うね間の水はけが不十分だったためという。

 

 この日はここでの作業がないということで、徒歩で7、8分の先生宅へ。屋敷林の面影を残す広い庭の一角に、腐葉土き場はあった。トタン板で四方を囲っただけの簡易な置き場。

 

 腐葉土の原料はほとんどが落ち葉だ。米ぬかを含めて発酵資材は使わない。切り返すことで60度以上の温度になり、殺菌効果を発揮するという。

 

 目の前にあるのは幅約2メートル、高い所で1メートルほどだが、踏み固められたり、熟して沈み込んだりして密度が高い。隣の角に直方体に積み替えるのに、交代しながら常時男性約10人が働くという人海戦術でも1時間かかった。先生は労をねぎらい、「家族3人でやると1日がかりなんですよ」と話した。

 

 作業はジョレンやマンガと呼ばれる農具、スコップで腐葉土の山を切り崩し、熊手で寄せてフォークで移す。久々の秋晴れの下、汗だくの作業となった。

 

 切り崩したときに出る小枝は極力抜き取る。枝が混入すると紋羽病(もんぱびょう)にかかりやすく、野菜では特にウドとニンジンに壊滅的な打撃を与える恐れがあるという。

 

 腐葉土の中からは丸くなったカブトムシの白い幼虫がたくさん見つかり、捕獲したものだけでバケツのほぼ半分になった。「100匹はいるな」の声があった。これがどうなったのかは確認しなかった。

 

 枯れ葉は昨年集めたもので、切り返しはこれが2回目。来年3月にはトウモロコシの作付け畑に使われる。熟すると体積は3分の1以下になるという。元あった場所には、12月に谷戸町の機械製造会社の敷地から出る落ち葉を運び込む。

 

 一方、女性たちは「収穫したナスは全量みんなで分けて持ち帰ってもらいます」ということを前提に、実をもぎ取ったうえ、株もすべて引き抜いた。葉がちぎれるなどして商品価値のあるものへの生育が見込めないため9月末から放置していたという。

 

 「収穫するだけでよかったのに」と先生が言うと、「女性パワーもすごいでしょ」。大きさ別に集められたナスは希望者で分け合った。