ひっそりと咲くコブクザクラ 世田谷区 砧公園

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晩秋の日差しに映える砧公園のコブクザクラの花

 すがすがしい青空が広がった11月10日の日曜日。砧(きぬた)公園(東京都世田谷区)は、弁当を囲む家族やバドミントンなどのスポーツを楽しむ親子らでにぎわっていた。そんな芝生広場を見守るように、小さな白い八重の花を付けたコブクザクラが2本立つ。

 

 コブクザクラはジュウガツザクラやフユザクラと同じように、秋から冬にかけてと春に咲く。ここでは10月上旬に咲き始め、この日は開花を待つつぼみや花芽も多く付いていて、長丁場に備えているようだ。

 

 花はめしべの数が多く、一輪につき2~3個のサクランボがなることから、漢字で「子福桜」と書く。

 

 砧公園は広大な芝生とともに桜の名所としても知られる。桜はソメイヨシノヤマザクラを中心に1千本近くあり、春には1日最大10万人の花見客を記録したことがあるという。

 

 それに引きかえ、そそとしたたたずまいのコブクザクラは遠目に目立たず、席取りを競わせることもない。それでも時折、スマホのカメラを向ける女性の姿が見られた。