自然再生を体感 日の出町・谷戸沢処分場で観察会

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ごみの埋め立て地で自然環境の再生を観察する参加者

 西東京市など東京都の25市1町でつくる廃棄物処分の東京たま広域資源循環組合は11月16日、埋め立てを終了して21年になる谷戸沢廃棄物広域処分場(日の出町)で秋の自然観察会を開いた。

 

 処分場を里山のような自然環境に再生する取り組みや、ごみ分別の必要性を知ってもらうのがねらい。3倍近い競争率に当選した約70人が参加した。

 

 立川市内から貸し切りバス2台で到着。主催者は、足元には深い所で一般ごみが40メートル埋まっており、温度も地表より20度以上高いと語る一方で、埋め立て終了後は水処理を中心に管理し、絶滅危惧種が生息するほど自然が回復したと強調。

 

 参加者たちは2班に分かれ、組合から処分場の保全や動植物の調査などを委託されている環境総合研究所スタッフの解説を聞きながら、草地の中や貯水場の周囲など約2キロの観察路を1時間かけて歩いた。

 

 解説員によると、都が絶滅危惧の恐れがあるとする動植物100種が場内で確認されている。これを含めて植物約500種、昆虫約1千種、鳥類約80種が生息するという。

 

 通路わきにはイノシシが土を掘り起こした跡があちこちに見られ、アケビカラスウリなど森の秋の実りを展示したり、生け捕りにしたアオダイショウに触れたりできるコーナーも設置された。

 

 散策後は、国蝶(こくちょう)オオムラサキを保護・育成する建物に入り、えさのエノキの葉にいる幼虫を探すなどしてオオムラサキについての物知りに。

 

 建物の外に特別に設けられた「ススキの小路(こみち)」で、都の絶滅危惧種のカヤネズミがススキの葉を編んで作った球状の巣を参加者が見つけ、「新発見です」と解説員を喜ばせる一幕もあった。