<農業講座日記> 生薬調合し屠蘇散に(12月24日)

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体の不調に合わせて生薬を選び調合する受講者たち

 27回目の講座は12月24日、西東京市谷戸公民館であり、薬剤師で鍼灸(しんきゅう)師の青木満さんが屠蘇(とそ)の材料を解説した後、受講者が自分の体調に合わせた屠蘇散を作った。

 

 元旦に飲むお屠蘇は、1年の無病息災を祈る薬用酒。生薬を組み合わせた屠蘇散は中国で作られ、7世紀に日本に伝わったとされる。

 

 青木さんは桂皮(けいひ)など12種類の材料について単独の場合と他の材料と組み合わせたときの効能を説明。トリカブトの根から作り毒性を減らした附子(ぶし)の1種類を除き、それぞれの粉末などが入った容器を会場に回して香りや味を感じてもらった。

 

 シナモンとも呼ばれる桂皮はカチカチに乾燥した樹皮を、陳皮(ちんぴ)は5年間乾燥したミカンの皮を手で確かめることもできた。

 

 山椒(さんしょう)が果皮、紅花(こうか)が花びらのままなのは成分が抽出されやすいためという。

 

 受講生による自家調合は、調剤用の小さなスプーン(1杯0.3~0.5グラム)で1回分2.5グラムをめどに紙皿に集め、せんじ袋に入れた。1回分とは日本酒180ミリリットルに見合う量で、一晩浸してから飲む。

 

 青木さんは本みりんを混ぜると飲みやすくなると言い、酒と本みりんの割合は4対1が標準的な目安。酒が飲めない人は湯に振り出してから砂糖やはちみつを入れるなど好みの飲み方でよいそうだ。

 

 困っている症状を青木さんに話し、生薬の種類と分量を助言してもらう人が後を絶たなかった。私は手の指にしびれがあることを相談し、防風(ぼうふう)、桂皮、当帰(とうき)など6種類をほぼ均等に組み合わせた。

 

 屠蘇づくりの後は畑に出向き、今年最後の収穫。私の班は1人当たり青首大根、聖護院大根各1本、カブ4本、ニンジン2本、ホウレンソウ約2把分、春菊約1把分、前回持ち帰らなかった人にブロッコリー1個。

 

 青首大根とブロッコリーはこの日ですべて収穫を終えた。