春の妖精 カタクリ満開 武蔵村山市

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山の斜面を薄紫色に染めたカタクリの花


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六道山公園の展望台から遠望を楽しむ

 

 市民団体・北多摩自然環境連絡会の今年1回目の観察活動が3月25日、カタクリ群生地のある武蔵村山市と瑞穂町にまたがる東京都立野山北・六道山公園であった。

 

 カタクリ群生地は市立野山北公園の遊歩道沿いの山の斜面に広がる。東大和市駅のバス停から青梅車庫行きの都営バスに乗り、武蔵村山市役所前の一つ先の横田で下車。近くの交差点から北へ向かい、村山温泉かたくりの湯の裏手のT字路を左に進むと、ほどなく左手に野山北公園の入り口が現れる。

 

 バスは青梅街道を走り、乗車時間は25分。下車してからは多摩湖(村山貯水池)など建設のための軽便鉄道跡や冒険の森・あそびの森の説明をはさみ、のんびり歩いて約40分。

 

 つり池のほとりの遊歩道を進むと、薄紫色の斜面が出迎えてくれた。2日前に満開となったカタクリの花は少しも衰えを見せず、元気に花びらを反り返していた。感嘆の声を上げて顔を近づけたり、カメラを向けたりで歩みが滞る。

 

 カタクリは氷河期の忘れ形見で冷涼な気候を好むこと、地上での生活は短く約10カ月を地中で過ごすことなどをリーダーから聞く。花は昼夜で開閉し、1週間ほど咲く。瑞穂町にはもっと規模の大きい自生地があるという。

 

 もう少しで見ごろを迎えそうなミズバショウの湿地から山道を上り、野山北・六道山公園インフォメーションセンター周辺の広場で昼食休憩。

 

 午後は尾根道を西へ向かい、瑞穂町立文化の森六道山公園の展望台から丹沢などの山並みや富士山、新宿の高層ビル群や東京スカイツリーなど360度のパノラマを楽しんだ。

 

 展望台からは市町境の山道を下り、ビオトープの湿地や「岸田んぼ」、里山民家(母屋などは閉鎖中)を経て、バス停「岸」から帰途に就いた。

 

 終日、青空が広がり冷たい風も吹かず、絶好の日和に恵まれた。春の妖精と呼ばれるカタクリはちょうど見ごろ。高さ13メートルの展望台の眼下には桜が満開、かすみは少なく遠望も利き、参加した11人は春の一日を満喫したようだった。