尾岱沼の「海の宿みさき」で、朝食は思わぬ選択が待っていた。普通の和定食でなく、「ジャンボサケの茶漬け」もあるという。
先に着座して朝食をとっていた男性は和食だった。東京・府中市から来て自転車で道内を走り、今日は風連湖に行くと言う。74歳とは思えぬ若さ。
茶漬けについてかあさんに詳しく聞くと、旅行専門誌と別海町の旅館・ホテルが共同で考え出した朝食限りの特製メニュー。旅の話題としても食べない手はない。
「ちょっと時間がかかるよ」と言う。この日は札幌の中継点として北見市の塩別つるつる温泉に泊まるだけで、途中は気ままに休憩する予定だったから何の問題もない。
背の高い「すしおけ」のような入れ物(これも器を見せるための演出)の上に白飯と焼いた輪切り(筒切り)の塩ザケが乗り、皿には、すりおろした野ワサビとゴマなど3種の薬味、急須に入れただしが付いてきた。
サケとご飯を茶わんに取り分け、それぞれの味を楽しんでもらう趣向。私はツンとからい野ワサビが一番気に入った。
かあさんは「賛同する旅館がうちを入れて4軒しかなくて」と声を落とした。しかし、それだけ希少価値があるとも言える。