踏切異常に遭遇 札幌~旭川 6月28日(水)

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翌日に備えて旭川動物園の入り口を下見

 前夜の酒は後を引かなかった。朝食バイキングを十分に食べて午前8時40分、札幌のホテルを出発。帰りの始点となる旭川のホテルにチェックインすることが一番の目的だ。ざっと150キロの距離では高速道路を使うまでもない。

 

 昔なじみの国道12号を走りながら、50歳前後に勤務していた滝川のある飲食店を訪ねようと決めた。夜、最も多く通い、ママは強烈な思い出をいくつも残してくれた。

 

 「うちは飲み屋じゃないの。食べ物屋」と主張して酔客の言動をピシャリとたしなめる。演歌系の歌がプロ並みにうまい。あっけらかんと話す日常生活での失敗ネタが面白く、「まとめて本を書いたら」と勧めるたびに「あなたが書いてよ」と言い返された。

 

 道に迷わず、滝川市本町の店の前に着いた。「明日ゆっくり来るから」と告げ、塩ラーメンと食後のコーヒーを頼んだ。

 

 私の後から同年配に見える女性が入ってきた。CDを全国発売したした赤平市の女性歌手、重原美子さんだと紹介される。3人で話が弾むうち、彼女のCDをいただくことになった。

 

 そのうち「踏切の警報機が鳴りっぱなしよ」とママが異変に気付いた。外に出ると、店の前の道路に数台の車が並び、その先にあるJR函館線の踏切は遮断機のバーが下り、赤色灯が点滅を続けていた。

 

 「警報機の故障かね」「JR北海道は事故が多いね」と野次馬を決め込んでいると、パトカーがやってきて、警察官が車に迂回するよう指示を始めた。

 

 このハプニングで時間を費やし、午後1時半すぎ、再度明日の来訪を約束して出発。夜、旭川でテレビのニュースで知ったのだが、旭川市内のJRのトンネルでモルタル片が落下しているのが見つかり、点検作業のため、昼過ぎから6時間以上も深川―旭川間で運休したという。

 

 旭川郊外のビジネスホテル飛鳥には3時半ごろ着いた。明日、朝イチで旭山動物園に入るため道順を入念に聞き、後ろの荷物だけ降ろし動物園目指して走った。交差点を2つ曲がれば、あとは一直線とわかりやすい。動物園のバイク専用駐車場、西口の切符売り場を確かめ、帰りも道を間違えずに着き、おおいに自信をつけた。

 

 ホテルは素泊まり。近くにある食事の店を紹介してもらう。「すず」は定食、カレー、ラーメンなどメニューも値段も大衆食堂的な店だという。

 

 夕食時間帯でもあり、家族連れや勤め人でほぼ満席だった。カウンターで食べた肉入り野菜いため定食は650円。帰りがけに年配の男性客に「はやってますね」と話しかけると、「いつもこうだよ」と返ってきた。店の雰囲気と同じように、客も気安い。

 

 この日の走行距離は167キロ。