上砂川 生家見納め 6月30日(金)2の1

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保存されている旧上砂川駅舎。「悲別駅」としてドラマの舞台にもなった

 滝川から美唄を目指す。美唄は、元号が昭和から平成に変わり、40歳で東京から初めて単身赴任した地。お世話になった知人と正午に会う約束だ。途中、国道12号を砂川市で左に入り、上砂川町の生家を見にいくことにした。

 

 午前9時、滝川で泊まったホテルの壁際に咲くハマナスの花を写真に撮って出発。ハマナスはバラの野生種で「北海道の花」になっており、内陸でもよく見られる。

 

 生家は昔、母の両親(私の祖父母)が魚屋を営んでいた。当時、私の両親は神奈川県で暮らしていたが、戦後の食糧難もあって北海道の実家で出産したのだった。

 

 その家はいつしか売却され、道路に面した側はスナックの外観に変わったが、2階の窓は昔の面影を残していた。近所の人に聞くと、営業はとっくにやめ、夫婦が住んでいると話してくれた。これで見納めだろう。

 

 「上砂川駅」にも寄った。JR函館線の砂川駅から分かれる支線の終点。鉄路は、炭鉱閉山と人口減少で1994年に廃線となり、有人駅時代の駅舎が残っている。

 

 廃線後、架空のまち「悲別(かなしべつ)」を舞台とするテレビドラマ「昨日、悲別で」(1984年放送)の撮影の多くが上砂川町であり、その駅だったことから「悲別駅」の看板も掛かる。駅舎の中にはロケ当時の写真や運賃表も展示されていた。

 

 駅舎を後に道道をそのまま進む。道端に「夜間は除雪しません」の標識が時々現れる。交通量が少ないことを証明するように、ないえ温泉までにすれ違ったのはパトカー1台だけ。森が終わり、水田が広がり、奈井江町国道12号に出た。

 

 寄り道や遠回りをしても、美唄市街地の待ち合わせ場所には1時間も早く着いた。