苫小牧 野鳥の聖域の「警告」 7月1日(土)

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ハクチョウの排せつ物を写真付きで解説し、注意を呼びかけ=ウトナイ湖

 美唄のホテルで朝食(和定食)を完食して午前8時半、美唄を出発。今日もコースや立ち寄り先は風任せ。大洗港行きフェリーは苫小牧港発午後6時45分、距離は約100キロだから高速道を使うまでもない。

 

 岩見沢国道12号から左の国道234号に入る。田舎の風景を見ながらのんびり走ろうとしたのだが、沿道にはこれといった見どころのないことを思い出した。苫小牧の郊外、沼ノ端まで来てしまい、市街地はもうすぐだ。

 

 とりあえずコーヒーでも飲むかと思ったら、ついでにケーキ、ならば国道36号沿いに「三星(みつぼし)」の店があったはずと連想。三星ハスカップの果実を使った菓子の製造販売で知られる。

 

 新開店に男性客の姿はなく、さすがに気後れした。しかし、買い上げた客はコーヒー無料、ケーキは東京よりも安い。腹を据えてシューケースの前に立ち、ショートケーキを選んで窓に沿うカウンター席に腰を下ろした。コーヒーをお替りし、地図を開いて次の行き先を探した。

 

 この時は国道276号で支笏湖に行って帰るつもりだったが、276号に折れる手前で「ウトナイ湖」方面を示す道路標識を見て心変わり。野鳥の聖域でラムサール条約の登録湿地になっている程度の知識は持ち合わせていたものの、なぜか魅力を感じず、訪れたことはなかった。

 

 国道36号に面した道の駅ウトナイ湖の駐車場にバイクを止めた。まずは湖を見にいこう。売店などの入る建物を抜けると湖面が広がる。土曜の午後のわりに人出は少ない。

 

 岸辺で遠くを見渡し、水鳥のいない時期だからだろうかと思いながら足元に目をやると、「これはハクチョウのフンです」の掲示物があった。写真付きで、「黒くて大きいですが……ヒグマやキツネ、シカのものではありません」「水草を川底の泥ごと食べるのでたくさん出ます」と親切な説明している。もちろん「踏まないようご注意を」の文も。周りを見ると、ある、ある。人間並みの大きさで。

 

 売店で特産ハスカップ入り飲むヨーグルトを買って飲み、隣の野生鳥獣保護センターへ。展示ホールに見学者は数えるほどしかいない。1階で四季を描いた壁画を、2階からは渡り鳥目線で1階の床に描かれた湖と周辺の陸地を見る。2階の市民ギャラリーにはシマエナガという森の鳥の写真が展示されていた。

 

 自然観察路を歩く元気はなく、フェリーターミナルに早く着いて乗船手続きを済ませることにした。午後3時ごろターミナルに着くと、先着バイクは2台だった。それが5時ごろには約30台になっていた。船は来た時と同じ「さんふらわあ さっぽろ」で、雑魚寝のエコノミールームにも同じ10人が振り当てられた。

 

 行きの船内で、孫の土産にしようと考えたフェリーのミニチュアを2個買った。孫は3歳なのに、おもちゃの対象年齢が7歳以上という表記を見逃していたことに気づいたのは帰宅後だった。

 

 この日の走行距離は158キロ。