佐藤可士和さんが語るクリエイティブな仕事の一端

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佐藤可士和さん=朝日新聞ライブ配信画面から

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オンラインイベント「佐藤可士和×元担当編集者 クリエーター夜話」の配信画面

 ユニクロ楽天、T-POINTのロゴをつくったのが同じ人物、佐藤可士和(かしわ)さんということを最近になって知った。この人の個展が東京・六本木の国立新美術館で開かれていることを報じる新聞記事を何度か目にしたからだ。そんなところに、個展の主催者の一員である新聞社から、彼のトークイベントをオンライン配信し、無料で視聴できるとの案内メールをもらい、少しばかり深入りすることにした。

 

 出演は佐藤さんと、佐藤さんの著書を担当した日本経済新聞出版社の元編集者、佐藤さんの連載コラムを担当した朝日新聞の元編集者の3人。4月12日午後8時から約1時間20分、ライブ配信された。

 

 佐藤さんの肩書はクリエイティブディレクター。デザインや広告の世界にいるか展覧会を見ていないと理解できないというやりとりはほとんどない。「展覧会を見て『私にも描けそう』と言ってもらえるのは、僕にとって褒め言葉。瞬時に理解できたということですから」と佐藤さんは話した。

 

 だが、思いつきだけでポンと生まれる作品はない。例えば、ロゴにも設計図がある。アイデアの最初は感覚的なものだが、途中から数値を使い、きれいな比率になるようにする。大小で違いがあってはならない。色は形よりも感覚的だが、濁りのない強い色にする。明快な色は再現性が高く、プログラムで運用できる。「微妙なところで勝負しない」と潔い言葉を聞くと、コロナ禍でリモートワークを進め、今やオフィスからパソコンさえもなくしたことも納得できる。