今日も私宛ての宅配便が届いた。コロナ禍を奇貨として出不精を決め込んでいるうちに、いつに増して通販サイトのサーフィンにおうち時間を費やすようになり、ついには買い物中毒を自覚するに至った。
発端は、間違いなくマイナポイントとクレジットカードとの「ひもづけ」だ。マイナポイントとは、政府が普及に躍起になっているマイナンバーカードに付けた特典で、手持ちのカードを使って2万円の買い物をすると5千ポイント(5千円)がもらえる。
妻が自分のプリペイドカードでマイナポイントの手続きをすると言うので、私も自分のカードを調べると、いつの間にか1社が政府と手を組んでいたことがわかり、8月下旬にパソコンで手続きをとった。
マイナンバーカードについては、個人情報の管理をめぐり国への疑念をぬぐい切れないが、「ポイントだって税金」「使わにゃ損」と欲得の感情が勝った。
しかし、5千円の得に目がくらみ、ふだんはほとんど利用しないカードで年内に2万円を使わなければならないという条件を甘く見ていた。
使い勝手のよい別のカードにはしばらく休んでもらうことにして、2万円のノルマ達成に走る。まずは替え頃となった肌着をまとめ買い。次に電池切れのサインが出た電子体温計と同等のものを探すと、価格がずいぶん上がっていた。
ドラッグストアやスーパーでもこのカードを使った。通販サイトでは秋冬用に値下げ品のポロシャツを見つけて購入。これほど毎日のように買い物をしても、2万円に届かない。
もしかしたら無駄遣いかもと思いながら、9月初めにウオーキング用の靴を買い、目標額を超えた。
それでも購買意欲は衰えず、メルマガに誘われ16本骨の雨傘にポチリ。ポロシャツは買い足しし、フラノシャツの値下げ品にも目を背けることができなかった。気が付くと、通販だけで3万円余りの買い物をしていた。
旅や外出を自粛したから交通費や飲み代が浮き、毎月の小遣いに余裕ができた。このささやかな裕福感も消費行動を促したのだろう。
新型コロナウイルスの感染拡大は第5波の昨今、ピークを過ぎたように見えるが、学校の2学期が始まり、ウイルスが好む冬に向かって、まだまだ予断は許されない。
私の買い物中毒もいつ再発するかわからないが、とりあえず今日9月9日の受け取りをもって治癒したと自己診断を下した。