今年を締める柳家さん喬独演会  三鷹

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終演後に発表された演目

 三鷹市芸術文化センターの落語会の1年を締めくくる柳家さん喬独演会が12月18日にあり、昼の部に足を運んだ。

 

 独演会とはいえ、10番弟子の小んぶ改め柳家さん花の真打ち昇進披露を兼ねており、さん喬一門の前座と真打ち先輩のさん助、喬之助が1席ずつ、師匠が2席を演じ、さん花がトリを務めるという豪華版。

 

 さん花の真打ち昇進を祝う口上で、柳家喬之助は「芸は技巧派。そこに自分のアレンジを加える」と話し、さん喬師匠は「水は与えられるが、栄養を与えることができるのはお客様」と客の支援を求めた。

 

 さん喬は、側室になった妹が懐妊し屋敷に招かれた八五郎のとんちんかんなやりとりがおかしい「妾馬(めかうま)」と、義太夫の師匠の色香に踊らされる間抜けな泥棒が笑える「転宅」の、いずれも古典の名作をつやのある声で語った。

 

 トリのさん花は俳優の松平健に似た42歳。口上で師匠が「見下ろされている」と言ったように体が大きく、声量は豊かそうだ。しかし、演目の「寝床」では声に節度があり人物ごとの使い分けもうまい。大家のへたな義太夫はすぐ客を笑いに誘い込んでいた。この日からファンになった人は多いのではないか。