ウクライナのヒマワリ 名画でよみがえる

 ウクライナで撮影されたヒマワリ畑の花がそのままタイトルになっていることに突き動かされ、7月16日、三鷹市でイタリア映画「ひまわり」を見た。

 

 落語会や演劇などの公演を企画運営する団体が「名画世界旅行」と銘打った上映会の初回。私が社会人デビューした同じ年に公開されたが、映画通ではないから記憶にない。

 

 俳優もソフィア・ローレンしかわからないし、オープニングで流れた曲を聴いてヘンリー・マンシーニの作曲でこの映画のテーマ曲だったことを知る。

 

 そこで、第2次世界大戦で引き裂かれた夫婦の愛の行方という物語とヒマワリの見ごたえ――にポイントを絞って鑑賞。

 

 広大なヒマワリ畑はオープニング映像と、妻(ローレン)がロシアで夫の足跡を追う場面が印象的だ。兵士や市民ら失われた無数の命が埋められていることと、明るく咲き誇る大輪との対比から戦争を考えさせる意図か。ただ、映像のスケール感だけなら北海道も負けないかな。

 

 二人の愛の結末にはホッとした。時代とお国柄は違っても、男性の方が女性よりも未練がましいと感じたのは私だけだろうか。劇中、男性が雪中で死にかけ、一時記憶を失ったという展開からは当然の成り行きと考えることもできるけど。

 

 現在はロシアの侵攻がやまないウクライナ。ミサイル攻撃を受けて崩れ落ちた建物や、収穫しても輸出できない小麦畑の映像が連日のように放送される。ヒマワリ畑はどうなっているのだろう。