叔父の告別式 奥さんのお別れの言葉に泣く

敬愛する叔父が荼毘(だび)に付された馬込斎場=千葉県船橋市

 叔父の葬儀2日目の8月26日は午前11時45分から告別式。衣服や持ち物、電車の乗り継ぎが前日と同じなので、千葉県八千代市の葬儀場まで2時間の道のりにも多少の余裕が持てた。

 

 僧侶が読経する葬送の儀と初七日の儀が終わり、参列者は叔父が納まるひつぎの中を白菊などの花で埋めた。奥さんが最後のお別れの言葉を語りかける。

 

 「(いつだって)我慢して…」。けがや病気の苦痛は決して話さなかったという。「子どもたちは立派に育ちました…」と家族のこと。言葉に詰まりながら最後に「ありがとう」と声を震わせた。私もこの時は涙を抑えられなかった。

 

 斎場へは家族らと同じマイクロバスに乗って向かった。到着まで約50分。交通渋滞がないのにずいぶん長く感じた。船橋市に入ると、郊外はナシ園と直売所が目立つ。

 

 火葬場は馬込斎場といって、八千代、船橋など4市で2カ所を運営するうちの一つだという。会食の後、奥さんと式の段取りを仕切った次男に故人の入院前後の様子などを聞いた。家族にとっては「まさか」の急な出来事だったようだ。

 

 骨は奥さんとのはし渡しで二つ拾った。

 

 帰りのバスで隣に座った義理の叔父が話しかけてきた。この人は故人の姉の連れ合いで、3年前に妻を亡くした。故人や生前の私の父との思い出や、「90歳を過ぎてがんにかかるとは思わなかった」と口の中を手術して今も治療中であることを話してくれた。

 

 葬儀場で解散となった。連れ合いの死後も独り暮らしを続け、「息子の嫁が車で送迎するというのを断ってきた」とタクシーで帰るという義理の叔父に、「お元気で」と心からあいさつをして別れた。